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[I-OR25-04] 川崎病既往成人期の内膜石灰化はmulti detector CT(MDCT)で捉えられるか:Optical coherence tomographyとの対比
Keywords:川崎病, MDCT, OCT
【背景】成人動冠動脈脈硬化においては,lipid richの程度,プラークの皮膜の厚さだけでなく,内膜の石灰化もプラークの不安定性に影響を与えるとされ,とくに微小石灰化(spotty calcification)はプラーク内部の不均一性をきたし,メカニカルストレッチによるプラーク破たんが起こりやすくなる.川崎病既往成人期における急性冠症候群のリスクを層別化する画像診断確立が期待される.【仮説】川崎病既往成人期の内膜の石灰化はmulti detector CT(MDCT)により検出できる.【方法】対象期間は,2012年9月から2016年12月.症例選択基準は,川崎病急性期に6mm以上の冠動脈拡大を合併し,15年以上冠動脈造影にて継続して観察を行っている症例. 評価は区域毎に行った.MDCTによる内膜石灰化は,no calcification(CT-NC),石灰化の長さが3mm以下かつ円弧が90度以下のspotty calcification(CT-SC),CT-SC以上の石灰化をlarge calcification(CT-LC)に分類した.OCTにおける内膜石灰化は10mm長の観察でno calcification(OCT-NC),石灰化の円弧が90度未満のspotty calcification(OCT-SC),90度以上のlarge calcification (OCT-LC)に分類した.またOCTによる内膜性状も評価した.【結果】症例は11例(男/女=6/5).年齢は中央値25.3歳(IQR 22.7-30.3) .川崎病後観察期間中央値22.6 年 (IQR 19.9-25.8).51区域が評価でき,CTによる診断はCT-NC34区域,CT-SC7区域,CT-LC10区域であった.OCTによる診断はOCT-NC31区域,OCT-SC4区域,OCT-LC16区域であった.CTとOCTで一致した診断はNC29区域,SC1区域,LC9区域で,weighted kappa statistic=0.65であった.またOCT上のsilent ruptured plaque(無症状)は,CT-NCでは0%(0/34区域),CT-SCでは29%(2/7区域),CT-LCでは20%(2/10区域)に認め,CT上の石灰化と関連していた(p<0.05).【結語】川崎病既往成人期の内膜の石灰化はMDCTにより検出可能で,不安定性と関連している可能性がある.