The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

Poster (I-P11)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Shinichi Takatsuki(Department of pediatrics, Toho University Omori Medical Center, Tokyo, Japan)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P11-06] Fontan candidateに合併した気道病変がTCPC到達に与える影響

北川 陽介1, 稲垣 佳典1, 加藤 昭生1, 佐藤 一寿1, 咲間 裕之1, 小野 晋1, 柳 貞光1, 上田 秀明1, 麻生 俊英2 (1.神奈川県立こども医療センター 循環器内科, 2.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科)

Keywords:気道病変, Fontan candidate, TCPC

【背景】新生児期からの計画的な治療戦略によるTCPC症例の増加に伴い、気道病変を合併したFontan candidateにおいてもTCPC到達例が増加している。【目的】Fontan candidateに合併した気道病変が、TCPC到達に与える影響について検討する。【対象】2000年1月から2014年12月に出生し、当院で治療を行ったFontan candidateのうち、治療を要する気道病変を合併した17例(男9例、女8例)。【結果】転帰は生存15例、死亡2例。気道病変の内訳は、上気道9例(上気道狭窄5例、喉頭軟化症3例、両側反回神経麻痺1例)、下気道8例(気管軟化症1例、気管気管支狭窄7例)。治療は気管切開7例、外ステント1例、気管切開+外ステント1例、扁桃摘出2例、大動脈(または腕頭動脈)吊り上げ術6例。TCPC(全例fenestrationなし)到達(T群)は11/17例(65%)、BDG到達(B群)は5例、ともに未到達は1例。病変部位別では、下気道病変のTCPC到達率は8/8(100%)であったが、上気道病変の到達率は3/9(33%)と低かった(p<0.01)。また、喉頭軟化症が残存したままTCPCを行った症例は、2ヶ月後に急変し重度の脳障害を合併した。治療別では、TCPC前に気管切開を行った5例は全例TCPCに到達しておらず、逆に吊り上げ術の6例はすべてTCPCに到達した(p<0.01)。T群11例とB群のうち生存の3例のBDG後の血行動態は、肺動脈圧(mmHg) T群:9.8±3.5, B群:12.7±1.5、肺血管抵抗(units×m2) T群:1.52±0.66, B群:2.67±1.20、SaO2(%) T群:82.9±5.3, B群:83.0±3.0、PA index(mm2/BSA) T群:212±77, B群:218±88で、いずれの項目でも両群間で有意差は認めなかったが、3例とも気管切開が手術を妨げる要因となりTCPCに至っていない。【考察】気道病変の合併はFontan循環を阻害する大きな要因となるが、適切な治療によりTCPCへの到達は可能である。一方で、気管切開例や術後に気道病変の残存が予想される症例では、fenestrationの作成も含めた新たな治療戦略が必要である。