第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター

学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスター (I-P13)
学校保健・疫学・心血管危険因子 1

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:片山 博視(大阪医科大学附属病院 小児科)

18:00 〜 19:00

[I-P13-02] 当院で経験したAEDを使用した院外心停止症例の検討

石川 悟, 馬場 俊輔, 河内 貞貴, 菱谷 隆, 星野 健司, 小川 潔 (埼玉県立小児医療センター 循環器科)

キーワード:学校, AED, 心停止

【背景】2004年7月に非医療従事者によるAEDの使用が認可され、学校ではbystanderである教職員がAEDを使用できるようになった。これにより学校管理下の心臓突然死は減少傾向にあり、致死的事例が救命される報告が徐々に増加している。しかし一方で、AEDの使用が遅れたことにより死亡した症例や重度な神経学的後遺症を残す症例も少なからず報告されている。今回は当科で経験したAEDを使用した院外心肺停止後症例を検討する。【対象】2010年1月から2016年8月までに当科に搬送または紹介受診されたAEDを使用した院外心肺停止後症例の全5例。【結果】発症年齢は平均年齢12.4歳(11-14歳)。場所は学校が4例(運動中2例、登校時1例、授業中1例)、登校途中が1例であった。原因疾患は不整脈疾患が4例(QT延長症候群1例、WPW症候群1例、カテコラミン誘発性心室頻拍1例、不明(てんかん疑い)1例)、肥大型心筋症1例であった。転帰は全5例で救命でき、最終的に4例は独歩で退院となった。独歩退院した4例ではAEDは速やかに装着されたが、神経学的後遺症を残した1例ではAED装着までに約20分間を要した。【考察】現在、学校現場における心停止症例では、AEDの使用者は救急隊よりも教職員が多くなっている。今回の検討でも学校で発症した症例については、4例中3例で教職員によってAEDが装着されていた。残りの1例ではAEDの装着が遅れ、結果的に神経学的後遺症との関連が示唆された。Bystanderである教職員のAED使用頻度は年々増加傾向にあるが、さらに啓蒙していく必要があると考えられた。