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[I-P16-04] ファロー四徴症様疾患術後症例の右心室に影響を与える因子
Keywords:TOF, RV function, echocardiography
【背景】ファロー四徴症(TOF)術後症例では、肺動脈弁逆流などにより経年的に右心室機能が低下し、再手術が必要となる症例が存在する。しかし、再手術後も右室機能の改善しない症例もあり、その時期、適応については検討が必要と考えられる。【目的】TOF様疾患術後症例で心エコー、心臓カテーテル検査を用いて右室収縮機能、拡張機能、右室容量を評価し、それらに影響を与える因子について検討する。【方法】1997年5月から2016年12月まで外来受診されたTOF様疾患術後症例74例を後方視的に解析し検証した。術後経過年数の中央値は14.5年であった。心エコー検査では、収縮機能としてTAPSE、FAC、右室自由壁のS’、拡張能としてe’、E/e’、E/A、DcT、右室容量として体表面積で補正した右室拡張末期面積(RVEDAi)を検討項目とした。心臓カテーテル検査では収縮能として右室駆出率(RVEF)、右室容量として補正右室拡張末期容量(RVEDVI)を検討項目とした。三尖弁逆流、肺動脈弁逆流、肺動脈狭窄(PS)の影響を検討した。【結果】RVEDVI、RVEDAiとも、術後経過の長い症例でより増大していた。(RVEDVI(P=0.01,r=0.6)、RVEDAi(P=0.038, r=0.31)。)三尖弁逆流圧格差(TRPG)30~40mmHgの軽度PSがあると右室拡大は軽度であった。(TRPG30~40mmHg: 40±26.7ml/m2, TRPG<30mmHg:78.5±39.7ml/m2, TRPG>40mmHg:138.6±78.5ml/m2)【考察と結論】術後経過に伴って右室容量は増大する可能性が示唆された。拡大傾向にある右室であれば、早期の再手術が望ましいと考えられた。軽度の肺動脈狭窄の残存は右室拡大を起こしにくく、右室機能を保持している可能性が示唆された。