The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

外科治療

Free Paper Oral 33 (II-OR33)

Sat. Jul 8, 2017 9:20 AM - 10:10 AM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Yoshihiro Oshima(Department of Cardiovascular Surgery, Kobe Children's Hospital)

9:20 AM - 10:10 AM

[II-OR33-04] 当院でのprimary sutureless法によるTAPVCの外科治療経験

木南 寛造, 野村 耕司, 黄 義浩 (埼玉県立小児医療センター)

Keywords:総肺静脈還流異常症, Primary sutureless法, 中長期成績

【目的】総肺静脈還流異常症(TAPVC)術後の最大の懸念事項である肺静脈狭窄(PVO)を回避するために、当院でも2013年12月からprimary sutureless法を導入している。今回、当施設のTAPVCに対するprimary sutureless法の手法、PVO有無、僧帽弁機能につき検討した。【症例及び方法】症例は新生児及び乳児7例で、病型はIa 2例、Ib 3例 III 2例。手術日齢27±36日、体重3.1±0.8kg。手術は全例posterior approachで行い、切開長はLA 22±3mm, common PV 14±2mmでPV anchorは6.3±1.4点に置いた。LA吻合はPV切開縁から3mm離して連続縫合し、ASDは新鮮自己心膜で補填した。垂直静脈は4例で開放とし、動脈管は術後経食道エコーで右左短絡を認めた1例以外は結紮とした。なお、動脈管開放症例は術後4日目に左右短絡となった時点で動脈管結紮とした。【結果】術後観察期間20±10ヶ月にて、死亡例なし、PVOによる再手術を認めず、術後1年で垂直静脈遺残短絡に対する再手術を1例認めた。合併症は術後乳糜胸3例に認めた。術後僧帽弁閉鎖不全をtrivial 2例, 三尖弁閉鎖不全はtrivial 5例, mild 1例を認めたが、いずれも増悪傾向なく経過した。PV-LA flow(m/s)は術直後:1.37±0.27、術後1ヶ月:1.44±0.26、術後3ヶ月:1.71±0.41、術後6ヶ月:1.46±0.43、術後1年:1.56±0.32で、血流パターンは全例拍動性であった。術後6-12mでのmPAP>25mmHg及びPp/Ps>0.4は3例でTadalafil導入(2例)、CLDに対するHOT導入(1例)とし、内2例は術後遷延性乳糜で長期入院を要していた。【結論】当施設におけるprimary sutureless法は概ね満足のいく結果であった。術後遷延性乳糜胸症例では慢性肺疾患に基づく残存肺高血圧症への対応が必要と思われた。