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[II-P30-02] 良性の特発性心室期外収縮の診断で外来経過観察中に持続性心室頻拍を来した1小児例
Keywords:特発性心室期外収縮, 学校心臓検診, 持続性心室頻拍
【症例】14歳、男【既往歴・家族歴】特記事項なし。【現病歴】12歳時、予防接種前の診察で期外収縮を指摘。自覚症状はなかった。精査を行い、心エコーや安静時心電図に異常はなく、ホルター心電図では心室期外収縮の散発が認められ、特発性心室期外収縮と診断した。管理方針としては、無症状で、R on Tはなく、運動時に心室期外収縮は減少することから、良性の特発性心室期外収縮と考え、学校生活管理区分E可、年1回の外来経過観察としていた。ところが、14歳時に、動悸を頻繁に自覚するようになり、ホルター心電図を施行したところ、動悸に一致して約190bpmの単形性心室頻拍の頻発が認められ、最長では約1分間持続していた。そこで精査加療目的で当科入院とした。血液検査・心臓MRI・加算平均心電図等を施行したが、異常所見はなく、やはり特発性心室期外収縮・心室頻拍と診断。治療としては、動悸を訴えることから、本人・家族と相談の上、カテーテルアブレーションを施行。右室流出路に心室頻拍の起源があり、同部位をアブレーションすることで、心室性不整脈は消失した。【まとめ】学童期に偶然発見する無症状の特発性心室期外収縮のほとんどは臨床的に良好な経過をとるが、のちに持続性心室頻拍を起こすこと症例をごくまれに経験する。特発性心室期外収縮が持続性心室頻拍に移行する危険因子についての文献的考察を交えて、本例の臨床的特徴や経過を報告する。