The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

学校保健・疫学・心血管危険因子

Poster (II-P30)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Yoshio Okamoto(Pediatrics, Kagawa Prefectural Central Hospital)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P30-03] 学校生活習慣病検診で高血圧を契機に発見されたMidaortic syndrome(MAS)の1例

山本 英一1, 中野 威史1, 高橋 由博1, 松田 修2, 小西 恭子2, 高田 秀実2, 太田 雅明2, 村尾 紀久子2, 千阪 俊行2, 渡部 竜助2, 檜垣 高史2 (1.愛媛県立中央病院 小児科, 2.愛媛大学医学部小児科)

Keywords:学校検診, 診断, 治療

【背景】MASは、下行大動脈から腹部大動脈にかけて狭窄により著明な高血圧、および狭窄を来した血管が支配する臓器の虚血症状を呈するまれな症候群である。有効な治療が行われなければ、長期予後は極めて不良とされている。【症例】11歳男子。主訴;学校検診における高血圧、既往歴;不明熱なし、母;高血圧、<現病歴>生後4か月時に中等度の僧帽弁閉鎖不全が認められ、内服治療により改善した。以後年1回経過観察となった。11歳時の学校検診で高血圧を指摘された。定期の心臓検診時に血圧166/93と高値。症状は激しい運動後の頭痛<現症>肺;清、心;胸骨左縁第二肋間にLevine3/6の収縮期駆出性雑音、腹部雑音;聴取しない、橈骨動脈の触知;良好、左右差なし、足背動脈;触知不良<検査>BNP 11.7pg/ml、カテコラミン異常なし、VMA定量0.51 mg/dl,レニン活性2.6ng/mL/h、造影CT検査:腎動脈分岐部レベルから両側総腸骨動脈、外腸骨動脈にかけての狭小化(最狭部0.8mm×39.2mm)両側腎動脈は著しく狭小化。以上よりMASによる高血圧と診断した。レノグラムは正常。他の動脈において狭窄部位なし。【経過】外科的アプローチは容易でなく、まずはβ遮断剤を開始した。安静時血圧は収縮縮期血圧150前後には改善し、頭痛は消失。しかし、これ以上の改善はなく外科的治療を含めて検討中である。【考察】学校心臓検診はシステム化されていること、院外突然死の問題が注目されていることにより関心度は高い。しかし、高血圧検診は、症候性の頻度の少なさと測定煩雑さにより普及されていない。また、学校保健安全法では、検診項目に血圧測定は含まれていない。【結論】学校生活習慣病検診で高血圧を契機に診断したMASを経験した。早期に診断するためには、学校における高血圧検診や日常診療時での血圧測定を進めていく必要があると思われた。