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[III-P31-06] 心房間交通に対する術中経心外膜アプローチリアルタイム3D心エコーの経験
Keywords:3D心エコー, 心房中隔欠損, 術中心エコー
【背景】心房間交通の画像診断には経胸壁2D心エコーが標準的であるが、欠損孔の形態や位置等で迷う例がある。一方で心疾患の画像診断における3D心エコーの進歩が顕著だが、経食道または経胸壁アプローチが一般的である。経心外膜アプローチ3D心エコー(Epi3DE)は3D経食道プローブの挿入不可能な小さな児でも施行でき、経胸壁エコーよりも良好な画質が期待される。【目的】心房間交通、心房中隔欠損(ASD)に対する術中Epi3DEの有用性を検討する事。【対象】2016年4月から12月の期間に術中Epi3DEで心房間交通を評価した4例。平均年齢2.6歳(4ヶ月-5歳)、平均体重10.9kg(5-20kg)。対象疾患/検査時手術はcentral type ASD3例(1例VSD+ASD)、下縁欠損型ASD1例は心内修復術、純型肺動脈閉鎖(PA-IVS)の1例はGlenn手術。【方法】胸骨正中切開後に専用滅菌カバーに超音波プローブを入れて心臓前面から3DE画像データの収集を施行。心房間交通をできる限り関心領域の正中にし、呼吸停止下において4心拍Full Volume法で記録した。超音波機器はPhilips iE33、プローブは小児用X7-2を用いた。保存したFull Volumeデータは機器内臓またはOFF lineによる専用ソフトを用いて断面の切り出しをおこない心房間交通及び周囲組織の3D画像を作成し、心房中隔に水平な断面像からは欠損孔径を計測した。【結果】全例バイタルサインの大きな変動なく安全に施行できた。平均検査時間5.6分(4-8分)。平均ボリュームレート30/分(17-39/分)。心内修復術時の4例全例でASDの全景及び周囲組織を含めて描出可能であった。Major sinusoidal communicationを伴ったPA-IVSの1例は径9*4mmの楕円形でflap状の心房間交通の形態評価が可能であり、心停止下での心房間交通拡大術を回避する方針の確定に関与した。【結語】Epi3DEは安全に施行可能で心房間交通の全体像、周囲との関係の最終確認に有用であった。