第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスター (III-P32)
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2017年7月9日(日) 13:00 〜 14:00 ポスターエリア (1F 展示イベントホール)

座長:渡辺 健(田附興風会医学研究所北野病院 小児科)

13:00 〜 14:00

[III-P32-04] 川崎病冠動脈障害における心臓専用半導体ガンマカメラの有用性

渡邉 拓史1, 神山 浩1,3, 唐澤 賢祐1, 加藤 雅崇1, 小森 暁子1, 中村 隆広1, 神保 詩乃1, 鈴木 康之2, 松本 直也2, 鮎沢 衛1, 高橋 昌里1 (1.日本大学 医学部 小児科学系小児科学分野, 2.日本大学病院 循環器内科, 3.日本大学医学部 IR・医学教育センター)

キーワード:D-SPECT, 川崎病, 被ばく

【背景】D-SPECT(以下D機)は新しい心臓専用半導体ガンマカメラで、高感度、高エネルギー分解能、高空間解像度の利点を有し成人への応用が開始されており、放射線被ばく低減に貢献している。また検出部をL字型に配列しパノラマ投影データとしての画像再構成が可能であり撮像時間短縮の利点も有する。よって、D機の小児への臨床応用の恩恵は大きいと推測する。【目的】小児でD機と従来型カメラ(以下A機)使用による放射線被ばく量と撮像時間の比較を行いD機の有用性を検討する。【対象と方法】2016年12月までに日本大学病院でD機による撮像と過去にA機による撮像経験がある18歳未満の重症川崎病冠動脈障害の4例を対象とした。使用核種はD機、A機ともにテクネチウム心筋血流製剤である。4例のD機撮像時の年齢、体重の内訳は6歳18kg、12歳32kg、16歳55kg、17歳59kgである。核種総投与量D機/A機比と撮像時間D機/A機比を検討した。但し、D機での撮像条件は心筋カウント収集(1.2M)とした。収集時間はA機での撮像時間は4例ともに640秒(40秒×16ステップ)と仮定した。【結果】撮像時年齢および体重平均のD機/A機比は各々1.13、1.04であった。核種総投与量平均のD機/A機比は0.61、撮像時間平均のD機/A機比は0.27であった。【考察】年齢、体重から考察する両機の撮像背景に有意差はなく、A機とD機の核種投与量の比較が可能である。A機と比較したD機使用による放射線被ばく低減と撮像時間短縮の割合は各々約40%減、70%減であり、小児にも有用なモダリティと考える。撮像時間の短いD機においても体動アーチファクトの可能性があるが、検査室では座位撮像でのTV視聴が可能でありアーチファクト軽減のプリパレーションの意味が大きい。【結語】放射線被ばく低減と撮像時間短縮ができるD機の心筋血流イメージングは、重症川崎病冠動脈障害の小児期および成人移行期への臨床応用が期待できる。