The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

カテーテル治療

Poster (III-P34)

Sun. Jul 9, 2017 1:00 PM - 2:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Kentaro Aso(St. Marianna University School of Medicine, Department of Pediatrics)

1:00 PM - 2:00 PM

[III-P34-04] Norwood手術で用いたRV-PA conduitの右室側狭窄に対して経皮的バルーン拡大術が有効であった2症例

岡 健介1, 片岡 功一1, 鈴木 峻1, 松原 大輔1, 南 孝臣1, 河田 政明2, 吉積 功2, 山形 崇倫1 (1.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科, 2.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児先天性心臓血管外科)

Keywords:経皮的肺動脈形成術, Norwood手術, カテーテル治療

【はじめに】当院ではRV-PA conduitを用いたNorwood手術(Norwood手術変法)を行っている。Conduitが右室内腔に十分入り込んでいないと、conduit周囲の右室筋組織による狭窄をおこし得る。今回、conduit右室側の狭窄に対して、経皮的バルーン拡大術が有効であった2症例を経験したので報告する。【症例1】診断は、大動脈弓離断、僧房弁閉鎖、左室低形成、心室中隔欠損、両大血管右室起始、総肺静脈還流異常症(1b+2b)。日齢1に両側肺動脈絞扼術、生後1か月時にNorwood手術変法を施行した。術後、徐々に低酸素血症が進行し、心エコーと造影CTでは、Conduitの右室側に筋組織が張り出して狭窄しているように見えた。生後2か月時に経皮的バルーン拡大術を行ったところ、酸素化の改善が得られ退院した。【症例2】診断は、両大血管右室起始、肺動脈弁下型心室中隔欠損、右室低形成、大血管転位、大動脈弁下狭窄、大動脈縮窄症。日齢1にBAS、生後約1か月時にNorwood手術変法を施行した。術後経過良好で一旦退院したが、退院5日後に啼泣を契機とした著明な低酸素発作をおこし、緊急入院した。原因は症例1と同様のRV-PA conduitの右室側狭窄であった。準緊急的に経皮的バルーン拡大術を行ったところ酸素化は改善し、退院した。【考察】筋性狭窄であればバルーン拡大術の効果は限定的であると予想される。今回の2症例で予想以上の効果が得られたのは、jet血流により発達した繊維性組織の部分を広げることができたのではないかと考えている。【まとめ】2症例とも経皮的バルーン拡大術が有効であったため、早期の再手術を避けることができた。Glenn手術まで十分な待機期間をとることができるため、長期治療成績の向上にもつながると考えられる。経皮的バルーン拡大術は、RV-PA conduitの右室側狭窄に対しても有効な治療選択肢となり得る。