1:00 PM - 2:00 PM
[III-P34-05] 当センターにて新生児期にPTPVを要した症例の中長期成績
Keywords:PTPV, 新生児期, 二心室修復
【初めに】 PA/IVSやclitical PS(cPS)の新生児に対してPTPVは広く施行されており、当施設で施行した症例の中長期成績を評価した。【方法】 2006年1月から2015年12月までの期間で、二心室修復を目指して新生児期にPTPVを施行した症例を対象とし、合併症・累計PTPV回数・治療による変化・中長期経過を後方視的に評価した。【結果】 対象は全14例、男児10例・女児4例、診断はPA/IVS 6例・cPS 5例・severe PS 3例、初回PTPV時の日齢は3-27(中央値 15)、フォローアップ期間は0.1-10.0(中央値 5.2)年。カテ合併症は特に認めなかったが、PTPV後に肺動脈弁下狭窄の顕在化が2例あった。4例では効果不充分で1か月以内にre-PTPVを要するなど必要に応じてPTPV反復し、フォローアップ期間中の総PTPV施行回数は1-4回(中央値 2回)だった。初回PTPV前でP弁輪径は44-92(中央値 76)% of normal(%N)、CVP 3-9(中央値 5)mmHg、RVp 45-138(中央値 88)mmHg、1-2年後での評価(手術施行例と未評価例は除く10例)ではP弁輪径は75-107(中央値 83)%N、PRはmild 8例・moderate 2例、CVP 1-6(中央値 4)mmHg、RVp 25-77(中央値 30)mmHgと改善が得られていた。1例はBTシャント術後に死亡、残りの13例は全て二心室循環が成立したが3例は外科手術(RVOTR)を要し(1歳5か月・1歳6か月・5歳)、内2例はtrans annular patchを用いて修復した。【考察】 P弁輪径が比較的小さい症例も多く含まれていたが、必ずしも外科的に肺動脈弁形成術を必要とせず、新生児期よりPTPVを行う事により二心室修復を目指すことができた。複数回のPTPVの後に外科手術となった3例も、PTPVにより順行性血流が増加し二心室循環成立に繋がったと考える。新生児期にリスクのあるPTPVを行ったが重大な合併症はなかった。