1:00 PM - 2:00 PM
[III-P42-03] 肝静脈分離還流を合併したHeterotaxyに対する治療
Keywords:Heterotaxy, 肝静脈分離還流, フォンタン
【背景】機能的単心室症例において肝静脈(HV)分離還流を合併した場合、IVC reroutingに工夫を要する。HV分離還流はheterotaxy syndromeに合併しやすく、その治療方法は未だ確立していない。当院における治療戦略を報告する。【症例1】Polysplenia, AVSD, DORV, vPS, RAA, BLSVC, IVC欠損, 半奇静脈結合, HV分離還流。2m(3.8kg):PAB、9m(5.7kg):TCPS+CAVVP施行。RSVC及びLSVCはV字型に寄せて、前面にePTFE patchを補填。1y9m(10kg):14mm ePTFE graftによるHV rerouting施行。心停止下に左右HV開口部をひとまとめにしてen blocに切離、14mm ePTFE graftをHVと吻合、心外導管によるHV reroutingとした。【症例2】Asplenia, dextrocardia, AVSD, DORV, PA, 両側SVC、HV分離還流。3m(4.8kg):central PA plasty+RMBTS4.0、5m(5.6kg):両側BDG施行。RSVC及びLSVCはV字型に寄せて、前面にePTFE patchを補填。1y5m(8.5kg):16mm ePTFE graftによるextracardiac TCPC施行。心停止下にRHV+IVC、LHVを心房から島状に切断、double barrelとし、16mm ePTFE graftを吻合、心臓の左側を通すextracardiac TCPCとした。術後UCGにてPVO所見を認め、HVs及びIVCを島状に切断した心房壁を直接閉鎖したことによる形態変化が原因だと判断し、ePTFE patchで心房壁を補填したところ、PVO所見は消失した。【考察】Heterotaxy syndromeの場合、TCPC後も房室弁逆流の進行やPVO等、心内への外科的治療介入の可能性があり、可能な限りextracardiac TCPCを第1選択としている。HV分離還流の症例の場合も、初回手術からHV血を左右肺にバランス良く流す心外導管の位置を想定して段階的手術を進め、2例ともextracardiac TCPCに至っている。但し、症例2のようにHV切開に伴うPVOを経験し、Heterotaxy syndromeの場合、あらゆる可能性を考慮した綿密な手術構築が更なる手術成績の向上に重要だと考える。