第54回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ミニオーラルセッション

成人先天性心疾患

ミニオーラルセッション04(I-MOR04)
成人先天性心疾患

2018年7月5日(木) 15:00 〜 15:35 ミニオーラル 第2会場 (312)

座長:松裏 裕行(東邦大学医学部 小児科学講座)

[I-MOR04-04] ファロー四徴症術後遠隔期におけるPVRの生体弁の選択

伊藤 貴弘, 椛沢 政司, 林田 直樹, 浅野 宗一, 阿部 慎一郎, 長谷川 秀臣, 小泉 信太郎, 村山 博和 (千葉県循環器病センター 心臓血管外科)

キーワード:tetralogy of Fallot, pulmonary valve replacement,  bioprosthesis valve

【背景】ファロー四徴症(TOF)術後遠隔期におけるPRに対する生体弁の肺動脈弁置換術(PVR)の安全性と有効性は確立されているが、肺動脈弁位における生体弁の選択に関しては一定の見解が得られていない。【目的】今回私たちは、当院で施行した生体弁のPVRの遠隔期成績を検討し、肺動脈弁位に適した生体弁について比較検討した。【方法】2003年4月から2017年12月までの期間、心外導管再建例を除くPVR施行した32例(男23例、女9例)を対象とした。臨床症状、心電図、胸部レントゲン、心エコー、MRI、心臓カテーテル検査などの精査を行って手術適応を決定した。人工弁機能不全(Prosthetic valve failure:PVF)は、中等症以上のPR又は最大圧較差50mmHg以上のPSとし、症状に応じて再手術(re-PVR)を検討した。【結果】生体弁はCarpentier-Edwards PERIMOUNTウシ心のう膜生体弁(CEP)が18例、ST.JUDE MEDICAL EPIC生体弁(EPIC)が14例であったPVFに至った症例は1例でEPICであった。術後3年目に中等症以上のPR、Max-PG53mmHgのPSを認めたため、PVR後3年3カ月でre-PVR施行した。その他合併症や遠隔期の弁の劣化に有意差はなかった。【考察】肺動脈弁位の生体弁の比較でCEPのPVFの発生頻度が多かったとの文献もあり、2013年から抗石灰化作用のあるEPICを採用したが術後早期のPVFを発症した。CEPの遠隔期成績は良好であり、PVFなく10年以上経過している症例が7例みられた。【結語】肺動脈弁位におけるCEPとEPICはともに良好な成績であった。単施設で症例数が少ないため、今後も症例の蓄積と遠隔期のフォローが必要である。