一般口演28（II-OR28）
画像診断 2

[II-OR28-05] ファロー四徴症術後患者の右室容積評価に2D心エコーによる右室面積は有用か

^○齊川 祐子¹, 安河内 聰^1,2, 瀧聞 浄宏², 武井 黄太², 内海 雅史², 中村 太地², 川村 順平², 浮網 聖実², 前澤 身江子², 沼田 隆佑² (1.長野県立こども病院 エコーセンター, 2.長野県立こども病院 循環器小児科)

Keywords:Tetrarogy of Fallot, Right　ventricle volume, RV focused view

【背景】ファロー四徴症術後患者(rTOF)は，術後の右室拡大が問題となる．右室容積計測のGold standardは，Cardiac MRI(CMRI)であるが，費用や時間の面から頻回の検査は困難である．一方，心エコー検査は頻回に行える利点があり，以前我々は3D心エコー（３DE）から計測した右室容積はCMRIによる右室容積と強い相関があり有用であると報告した． American Society of EchocardiographyのRecommendによると，2D心エコー(2DE)での右室評価として，RV focused viewでのRV areaが推奨されている．
【目的】３DEによる右室拡張末期容積（3D RVEDV）及び２D RV focused 四腔断面から計測した右室拡張末期面積（RVA）を， CMRIにより計測した拡張末期右室容積（MRI RVEDV）と比較，検討すること．
【対象】対象はrTOFで，CMRIによる右室容積計測を行い，同時に３DEによる右室容積計測が可能であった患者62名. CMRI時の年齢は1-31歳，術後1-27年．
【方法】CMRIはMultiva 1.5T MR scanner (Philips社)を使用し，多断面多時相のcine MRIで得られた MRI RVEDVを体表面積で補正したMRI RVEDVIを求めた．３DEは， iE33 (Philips社)を使用し，得られた３DデータからImageArena（Tomtec社）を用いて3D RVEDVI, および２D RV focused 四腔断面を作成後， RVAを体表面積で補正したRVAIを求めた
【結果】MRI RVEDVIは116±33 ml/m²，３D RVEDVI 114±32 ml/m²，RVAI 24.1±5.0 cm²/m². MRI RVEDVIとRVAIの相関はR=0.52, p＜0.0001で弱い相関であったが，RV EDVI 120 ml/m² 以上に関しては，R=0.225，p=0.258と相関関係は認められなかった．３D RVEDVI は全例でR=0.94, RVEDVI 120 ml/m² 以上でR=0.81と強い相関が認められた．
【結語】結語】rTOFのように右室流出路再建や再建後の肺動脈弁逆流などによる拡大する疾患群においては，2DEのみでの右室拡大評価は困難であり，３DEによる右室容積の計測や，CMRIでの計測をする必要がある．