[P05-03] 先天性肺静脈狭窄症の5症例
Keywords:先天性肺静脈狭窄, 肺高血圧症, 肺血管抵抗
【背景と目的】先天性肺静脈狭窄(congenital pulmonary vein stenosis:CPVS)は,静脈内の筋線維芽細胞の異常増殖による進行性の病変であり,極めて稀な症例で予後は悪い.2009年から2017年までに当院で経験した5症例を報告する.【症例】症例1) 出生時体重1606g。ASD,PAPVC, SVC狭窄、PH合併。2ヶ月心内修復施行。5ヶ月頃よりPVSを指摘。カテーテル検査で平均肺動脈圧68mmHg、Rp10.9。7ヶ月PVS解除施行(sutureless)。9ヶ月頃よりPVS再度進行し, 11ヶ月気道感染契機で死亡。症例2)1696g。ASD,VSD,BLSVC合併,3ヶ月両側PVSと診断。4ヶ月時にPVS解除(sutureless)+PAB+ASD拡大術を施行.1歳7ヶ月で両側PVSが再発.右PVに対してcoronary stent、covered stent留置を行うが9カ月でPH進行のため死亡.症例3)3230g。TAPVC2a,ASD合併。2ヶ月時にPHが急速に悪化, PVSと診断。3カ月 PVS解除(sutureless)+ASD閉鎖術施行。術後もPVS進行,7ヶ月再PVS解除+ASD作製した。その後左PV閉塞,RLPV閉塞.RMPVS進行を認め,1歳1ヶ月再々PVS解除施行。8歳。肺血管拡張薬とHOTで生存。症例4)3150g。ASD,BLSVC合併.5ヶ月でCPVS指摘。HOT+肺血管拡張薬投与。6カ月両側PVS解除+ASD閉鎖術施行した.術後37日目よりimatinib投与開始するも術後42日目に死亡.症例5)805g。ASD,BLSVC合併。6カ月でPHを指摘され10カ月時の心臓カテーテル検査で平均PA圧45mmHg,Rp4.2.Qp/Qs=1.78。1歳時にASD閉鎖術施行.1歳1ヶ月PVS認め, 1歳3ヶ月時にPVS解除+ASD作成。PVS悪化,1歳5カ月バルン拡張術施行するがPVS進行し1歳6カ月で死亡.【考察とまとめ】5例中、3例が低出生体重だった。生下時には気付かれず合併心疾患の治療を先行されている例も多かった。4例が死亡しており、手術やstent治療でも改善せず、ステロイドや化学療法も積極的に考慮する必要がある。