[I-P06-02] FONTAN術後患者のShear Wave ElastographyとDispersionを用いた肝臓評価
キーワード:Fontan associated liver disease (FALD), Shear Wave Elastography (SWE), Dispersion imaging
【はじめに】Fontan術後遠隔期に肝線維症,肝硬変,肝細胞がんなどの肝合併症(Fontan associated liver disease: FALD)が問題とされている.
【目的】今回,われわれは従来のShear Wave Elastography(SWE) による肝臓の粘弾性に加え,肝の粘性を示すShear wave dispersion(SWD)を用いて,検討したので報告する.
【対象】F患者40名(Fontan術後3-22年, 年齢7-25歳,中央値16歳),対照として右心系圧の上昇を伴わない先天性心疾患術後患者(C)17名(年齢6-24歳,中央値16歳).
【方法】装置はAplio i900(Cannon medical社)及びコンベックスプローブi8CS1を使用し,肝臓右葉の被膜下2cm前後にROIを置き,Acoustic Radiation pulseを用いて呼気末期のShear wave velocityを計測し, Elasticity(SWE), Dispersion(SWD)を算出した.これらの指標と,心カテーテル検査の血行動態指標,肝線維マーカーであるヒアルロン酸,4型コラーゲン7SやP-III-Pならびに肝線維化の指標FIB-4, APRIと比較した.相関関係はSpearmanの順位相関係数(S)を用いて評価した.
【結果】F患者においてはCに比較し,SWE中央値(F:C)(24 : 6.5) kPa,SWD(22 : 13)m/s/kHzおよびSWE/SWD(1.1 : 0.5)と高値を示した.また,各指標のうちヒアルロン酸とSWEに有意な相関関係が認められた (S=0.35, p=0.039).CVP値と術後経過年数の積とSWE/SWDに有意な相関関係が認められた.(S=0.42, p=0.044)
【考察と結語】肝線維マーカーのヒアルロン酸とSWEは有意な相関を示したが,SWDとは相関がなかった.肝硬変,肝線維症合併ではSWE/SWDはより高値を示し,特にCVP値と術後経過年数の積とSWE/SWDは正の相関がみられた. FALDとして肝線維症・肝硬変検出における粘弾性指標(SWE)の有効性が報告されるが,これに炎症などの粘性を反映するSWDを加えることで,FALDの検出と進行の指標となる可能性が示唆される.
【目的】今回,われわれは従来のShear Wave Elastography(SWE) による肝臓の粘弾性に加え,肝の粘性を示すShear wave dispersion(SWD)を用いて,検討したので報告する.
【対象】F患者40名(Fontan術後3-22年, 年齢7-25歳,中央値16歳),対照として右心系圧の上昇を伴わない先天性心疾患術後患者(C)17名(年齢6-24歳,中央値16歳).
【方法】装置はAplio i900(Cannon medical社)及びコンベックスプローブi8CS1を使用し,肝臓右葉の被膜下2cm前後にROIを置き,Acoustic Radiation pulseを用いて呼気末期のShear wave velocityを計測し, Elasticity(SWE), Dispersion(SWD)を算出した.これらの指標と,心カテーテル検査の血行動態指標,肝線維マーカーであるヒアルロン酸,4型コラーゲン7SやP-III-Pならびに肝線維化の指標FIB-4, APRIと比較した.相関関係はSpearmanの順位相関係数(S)を用いて評価した.
【結果】F患者においてはCに比較し,SWE中央値(F:C)(24 : 6.5) kPa,SWD(22 : 13)m/s/kHzおよびSWE/SWD(1.1 : 0.5)と高値を示した.また,各指標のうちヒアルロン酸とSWEに有意な相関関係が認められた (S=0.35, p=0.039).CVP値と術後経過年数の積とSWE/SWDに有意な相関関係が認められた.(S=0.42, p=0.044)
【考察と結語】肝線維マーカーのヒアルロン酸とSWEは有意な相関を示したが,SWDとは相関がなかった.肝硬変,肝線維症合併ではSWE/SWDはより高値を示し,特にCVP値と術後経過年数の積とSWE/SWDは正の相関がみられた. FALDとして肝線維症・肝硬変検出における粘弾性指標(SWE)の有効性が報告されるが,これに炎症などの粘性を反映するSWDを加えることで,FALDの検出と進行の指標となる可能性が示唆される.