[I-P19-04] histiocytoid cardiomyopathyに合併した副伝導路、torsade de pointesのトリガーとなる心室期外収縮に対するアブレーションに成功した乳児例
キーワード:torsade de pointes, histiocytoid cardiomyopathy, アブレーション
【背景】Short coupled variant torsade de pointes (ScTdP)は稀であり、薬物治療に抵抗性である。これまで、ScTdPのトリガーとなる心室期外収縮(PVC)に対するカテーテルアブレーションの報告はない。今回histiocytoid cardiomyopathyに合併した副伝導路、ScTdPに対するアブレーションに成功した乳児例を経験したので報告する。【症例】症例は4か月女児。出生当日、WPW症候群、繰り返す発作性上室頻拍、左室緻密化障害のため当院に搬送された。日齢72に副伝導路に対して、カテーテルアブレーションを施行した。アブレーション5日後、Tdpを繰り返し、多剤の抗不整脈薬の効果がなく、日齢86に人工心肺を装着した。心臓移植を考慮されLVAD(左心補助)を装着したが発達予後が不良であると判断され、心臓移植適応なしと判断された。日齢122に、体重3.4kgでTdPのトリガーとなるPVCにカテーテルアブレーションを施行した。右室起源の2種類のPVCを焼灼し成功した。カテーテルアブレーション後、TdPのイベントなく、LVADから離脱できた。しかし、生後6か月、心不全をコントロールできず、永眠した。剖検で、histiocytoid cardiomyopathyと診断し、両心室にわたり異常なプルキンエ細胞を認め、右室壁のアブレーション部位では、貫壁性の線維性病変を認めた。【考察】histiocytoid cardiomyopathy に副伝導路、ScTdPを合併した生後4か月の児を経験した。アブレーションにより不整脈を抑制できLVADから離脱できた。PVCの機序は撃発活動で異常なプルキンエ細胞が関連したと考えられた。