[I-P23-02] 川崎病における年齢別のIVIG不応予測
Keywords:川崎病, 不応, 年齢
【背景】川崎病ではIVIG不応予測法が活用されているが、冠動脈後遺症を残す症例が存在する。【目的】年齢別にIVIG不応の特徴を捉える。【方法】対象は2012年から4年間に全症例に対しIVIG+ASAで初期治療を行なっていた当院を含めた5施設の川崎病患者442例。1ヶ月時のCAL（z-score＞2.5）は11例（2.5%）で、6ヶ月以下が4例、5歳以上が4例と多かったため、年齢群を6ヶ月以下、7ヶ月-4歳、5歳以上に分け、各年齢群で小林スコア（5点以上）の感度と特異度を求めた。次に、3群のIVIG不応例間で、CAL割合、性別、不全型の割合、診断病日、診断時の好中球比率、血小板数、AST、血清Na、CRP、小林スコアを比較した。【結果】IVIG不応は6ヶ月以下10例（24%）、7ヶ月-4歳78例（24%）、5歳以上22例（31%）で、小林スコアの感度／特異度（％）は、それぞれ、50／80、53／80、68／69だった。3群のIVIG不応例間で、不全型の割合、AST、血清Na、小林スコア（6ヶ月以下4.5点、7ヶ月-4歳5点、5歳以上5点）（中央値：以下同様）に有意な差は認めなかった。一方で、6ヶ月以下ではCALの割合（30%）、男児（90%）、血小板数が有意に高かった。診断病日は低い年齢群ほど早く（3.5、4、5日）、好中球比率は高い年齢群ほど高かった（68、75、86%）。CRPは5歳以上で高かった。【考察】6ヶ月以下の不応例では、他の年齢群に比べてCALの割合が高かったが、小林スコアの感度は50%と低かった。この月齢の不応例の小林スコアの点数は、他の年齢群との差はないが、好中球比率、血小板数、CRPはカットオフ値を超えにくく、主に12ヶ月以下の1点と早い診断病日により得られている特徴があった。【結語】6ヶ月以下の川崎病患者のIVIG不応予測には他の年齢より強化した基準が必要と考えらえた。