[II-TRP01-04] 小児循環器看護に携わる看護師の学習方法の現状とニーズ-全国調査より-
キーワード:小児循環器看護, 学習方法, 学習ニーズ
【背景】医療の進歩に伴い、多くの施設の看護師が循環器疾患の子どもの看護に携わるようになった。小児看護の特殊性に加え、複雑な血行動態や治療を理解して看護を提供するためには小児循環器看護に特化した教育環境を整えることが急務である。そこで本研究では、学習プログラム構築の基礎資料のひとつとして、経験年数や部署、地域に分けて看護師の小児循環器看護に関する学習方法の現状やニーズを調査した。【目的】循環器疾患の子どもの看護に携わる看護師の学習方法の現状とニーズを明らかにする。【方法】所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。先天性心疾患の看護経験が1年以上の看護師を対象に、看護上の疑問の解決方法、研修会やテキスト、ネット利用などの学習方法についてアンケート用紙を用いて調査した。回答は、経験年数や部署、居住地域などの対象者の背景を変数として学習状況との有意差検定を、学習状況や要望への記述は質的に分析した。【結果】国内各地の総合病院、大学病院、小児専門病院、循環器専門病院22施設の協力を得て、219通の回答があり(回収率53.4%)、欠損を除く209通を分析対象とした(有効回答率51%)。部署別では疑問が生じた際の解決方法と学会参加の項目に有意差がみられた。経験年数別では、経験年数が4年以上の看護師は職場以外の学会や研修に参加することが多く、3年未満の看護師は基礎教育時代のテキストやインターネットで調べることが有意に多かった。自由記載には、「疾患の理解が難しく自己学習には限界がある」「小児循環器の看護に関するテキストが不足」「学習の場がない」「勤務の都合で外の研修に出られない」などの現状があげられた。【考察】小児循環器看護に関する教材や学習の場が不足していることが伺われた。学習の実態は経験年数や部署による違いがみられ、対象者のニーズに合った学習プログラムを構築する必要性が示唆された。