第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

川崎病・冠動脈・血管

ポスターセッション85(III-P85)
川崎病・冠動脈・血管 7

Sat. Jun 29, 2019 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:野村 裕一(鹿児島市立病院 小児科)

[III-P85-04] 当院におけるAP windowの臨床的検討ー特異な形態を示したTubular typeを含めー

丸山 和歌子1, 江原 英治1, 児玉 菜津子1, 松井 勝敏1, 加藤 有子2, 中村 香絵1, 藤野 光洋1, 吉田 葉子2, 鈴木 嗣敏2, 村上 洋介1 (1.大阪市立総合医療センター小児医療センター 小児循環器内科, 2.大阪市立総合医療センター小児医療センター 小児不整脈科)

Keywords:AP window, tubular type, 両側肺動脈絞扼術

【はじめに】大動脈肺動脈窓(AP window)は近位欠損のtype1、遠位欠損のtype2、全欠損のtype3に分類されているが、それにあてはまらないtubular typeも認められる。当院で経験したtubular typeを含めたAP window4例について報告する。【対象】2008年から2018年に当院で加療を行ったAP windowの4例を後方視的に検討した。【結果】4例の診断時年齢は日齢0,2,1か月,2か月。出生体重は626gー3264g。胎児診断例はなし。診断のきっかけは超低出生体重児でスクリーニングの心エコーで診断された1例を除いて、心雑音や多呼吸などの高肺血流による心不全症状であった。合併心疾患として1例に大動脈離断(typeA)がみられた。2例(出生体重626gとIAA合併例の低出生体重児)は両側肺動脈絞扼術を経て段階的手術を行った。AP window repairの時期は1か月ー5か月であった。全例生存し、遺残病変としては2例に右肺動脈狭窄みとめ、PTAを行い改善した。IAAの1例ではreCoAを認め、PTAを行った。特異な形態を示したtubular typeのAP windowは、心エコー検査と造影CTで上行大動脈と肺動脈間に管状構造を認めた。生後2か月で上行大動脈-肺動脈間異常血管切離術を施行。切離した管状構造物は正常の動脈壁構造をもち、動脈管組織は認めなかった。【まとめ】high riskの症例では両側肺動脈絞扼術を経て段階的手術を行い、経過良好である。1例は特異な形態を示したtubular typeのAP windowであった。文献的考察を含めて報告する。