[III-TRO05-04] フォンタン手術後に高度医療依存となった患者の両親の思いと行動
キーワード:フォンタン手術 , 高度医療依存児, 家族の思い
【背景】フォンタン手術後に気管切開、人工呼吸器使用などの高度医療依存となった患者を担当した。患者は、術前の発達が年齢相応であったため、それまで満たされていた欲求を満たせず、人工呼吸器を自ら外す行為等が見られ、看護に難渋した。また両親もそのような行動をとる患者と接することに苦労していた。しかし、この家族は様々な苦労を乗り越え、外出、外泊、退院を繰り返せるまでになった。【目的】フォンタン手術後に予期せず高度医療依存となった患者の両親の思いと行動を明かにし、患者と両親への援助方法を検討する。【方法】両親に半構成的面接を実施し、1)フォンタン手術前2)フォンタン手術後3)気管切開移行時4)退院指導~初回外泊時5)長期外泊~その後の入院生活時6)状態的に長期在宅療養ができず、入院と短期間の退院を繰り返す時期の6期に分け、思いや行動をデータ収集し、質的帰納的に分析した。【結果】1)≪手術を受けることで経鼻酸素使用の苦労から解放されることへの期待≫2)≪医師の説明を受けても病状が回復しないことや、酸素を外せないことへの不安≫3)≪挿管による弊害が生じている姿を見ることの苦痛と気管切開に変更することへの期待≫4)≪外泊や退院できる状態になったことへの喜びと不安≫5≪付き添いがもたらした子どもの行動と情緒の安定に対する安堵≫6)≪同じ境遇にいる人達と相談や理解しあえる繋がりを持ちたい≫など合計45カテゴリーを導いた。【考察】フォンタン手術後に高度医療依存となった患者の両親にとって、医療的ケア方法に対する疑問や思いを表出できるように関わり、継続しやすい医療的ケア方法を検討・工夫していくことが必要である。【結論】フォンタン手術後に高度医療依存となった患者の両親の思いや行動は子どもの状況毎に変化していた。また、医療的ケアの負担を軽減できるよう援助していくことが必要である。