[I-YB04-4] Impact of Intra Cardiovascular Images Created by Dual Source CT in Surgical Planning for Complex Congenital Heart Disease
Keywords:CT, 複雑先天性心疾患, 手術
背景: Fontan循環の長期成績が明らかになる中、当院では積極的に2心室修復を目標としている. 術前の複雑先天性心疾患(CCHD)の心内構造の把握のためにdual source CT(DSCT)にて作成した内腔画像を使用しており、その有用性を報告する.対象:2019年以降、内腔画像を作成した57例中、CCHDの術前評価の目的で施行した32例.方法:画像はSOMATOM Force imaging deviceにて撮影.収縮期に焦点を合わせ、管電圧は70 kV、turbo flash spiralにて撮影し、Ziostation2にて心血管内腔画像を作成した.結果:年齢は6ヵ月(0-106ヵ月).体重は7.1 kg(2.5-22.9 kg).診断は、TF:7、TF/CAVC:2、DORV:11、TAPVC:6、ccTGA:2、大動脈弁上狭窄(SAS):2、TGA:1、LIH:1.撮影時の心拍数は115bpm(51-166bpm).被曝線量はCTDIvol:0.91mGy(0.51-1.63mGy)、DLP:16.1mGy・cm(8.3-33.9XmGy・cm)であり、診断レベルと比較し低い線量であった.心室内血流転換(IVR)症例が22例、心房内血流転換(IAR)症例が3例、SASにおける冠動脈との位置関係を目的とした症例が2例.IVR症例では、IVR patchの縫着位置、VSD前方拡大・DKS手術の必要性、また三尖弁前乳頭筋、冠動脈の走行から右室切開lineの決定に有用であった.DORV/dysplastic TVの1症例で、術前状態の増悪からDSCTと超音波画像のみで心内修復を施行できた.IAR症例ではLIH, isolated ventricular inversion、IVC interruptionの症例で、上下大静脈、肝静脈、肺静脈及び房室弁の位置関係が明瞭に描出されMustard patchの縫着位置の決定に有用であった.SAS症例では、冠動脈起始部狭窄合併の有無の診断に有用であった.すべての症例で、画像所見と一致する構造を術中に観察でき、術前計画手順の変更が必要な症例は認めず、有意な遺残病変は認めなかった.結論: DSCTによる心血管内腔画像は、低被曝線量で心血管内構造の詳細な描出ができることで、CCHDに対する2心室修復を行う際の有用な情報となり得る.