[P12-5] Fallot四徴心内修復術後の肺動脈弁閉鎖不全に対する心エコー評価
Keywords:Fallot四徴, 肺動脈弁逆流, 心エコー
【背景】Fallot四徴心内修復術後(TOF-ICR)の患者では遠隔期に肺動脈弁逆流(PR)が問題となることが多い。介入を行う指標として心臓MRIのPR-fraction(PRF)やRVEDVI(右室拡張末期容積/BSA)がゴールドスタンダードである。一方心エコーにおけるPRの重症度や右室拡大の評価法についてガイドラインで示されているが、これらの指標とMRI指標との相関について十分なエビデンスがない。【目的】TOF-ICR患者において次の2つについて検討を行った。1) MRIによるPRFとエコー指標との関係を明らかにする。2) MRIで計測したRVEDVIとエコー指標との関連を明らかにし、再介入の目安となるRVEDVI> 160ml/m^2に一致するエコーでのcut-off値を求める。【方法】2016年以降に心臓MRIと心エコー評価が施行された患者を後方視的に調査、両検査の間隔が6ヶ月以内の症例のみを対象とした。1) PRFとの関係を検討したエコー指標:Color Doppler-PR grade (CDPG);右室拡張末期面積/BSA(RVEDAI);収縮末期右房面積/BSA(RAAI)など。 2) RVEDVIとの関係を検討したエコー指標:RVEDAI;各種断面における右室と左室の内径比など。【結果】対象:40例(男女比=22:18、年齢:14.4歳(7.0- 35.0)。1) PRF:単変量解析で有意となった指標:CDPG、PR jet幅、PR jet幅/肺動脈弁輪径、RAAI。多変量解析:CDPGとRAAI。PR fraction>30%を予想するcut-off値:CDPG(重度)とRAAI>9.8。2) RVEDVI:単変量解析:RVEDAI、4腔断面RV/LV基部内径比、長軸断面RVOT/LV内径比。多変量解析:RVEDAIとRVOT/LV。RVEDVI>160を予想するcut-off値:RVEDAI> 23.5と長軸 RVOT/LV>0.76。【結論】CDPGとRAAIはPRFの予想、また、RVEDAIと長軸断面RVOT/LV内径比はRVEDVIの予想に有用である。