[P16-2] Amplatzer Cribriform Multi-Fenestrated Septal Occluder留置の際にPTA用バルーンで欠損孔を拡張しデリバリーシース通過を可能とした多孔性心房中隔欠損の一例
Keywords:心房中隔欠損症, 心房中隔瘤, カテーテル治療
【背景】Amplatzer Cribriform Multi-Fenestrated Septal Occluderは多孔性心房中隔欠損(ASD)のうち欠損孔が密集し単一デバイスでカバー可能なものに対して用いられている。今回、多孔性欠損孔のASDに対するCribriformデバイスを用いた経カテーテル的心房中隔欠損閉鎖術に工夫を要した症例を経験したため報告する。【症例】23歳女性。3か月健診で心雑音指摘され、ASDと診断された。12歳時に当院紹介。TTEでポーチ状の中隔瘤と3mm程度の欠損孔2-3個、右心系拡大を認めた。外来フォロー中にシャント量の増加がありカテーテル治療目的に入院となった。TEEで3つのASD(A: 2.0mm、B: 3.0mm、C: 3.8mm)と直径約20mmの中隔瘤を認めた。ASDはBが中央に位置し、3欠損の端から端までの距離は13.5mmであった。8Frのデリバリーシースを左房内に進めようとしたもののダイレーターとの段差が障害となり欠損孔を通過できなかったため、MUSTANG 5×20 mmで欠損孔を拡張させた。拡張後、やや抵抗を感じながらもデリバリーシステムを通過させることができ、Amplatzer Cribriform Occluder 25mmを留置できた。【考察】Amplatzer Cribriform Multi-Fenestrated Septal Occluderは多孔性欠損孔のASDに対する閉鎖デバイスであり、中央の細いウエストを留置し2枚のディスクで複数の開窓部を覆い閉鎖する。ウエスト留置は中央の欠損孔に行うことが適切であるがデリバリーシースを通過させるには一定の径が必要である。中央の欠損孔が小さく、かつ中隔瘤を伴う場合にはPTA用バルーンで欠損孔を拡張することで安全なデバイス留置が可能であった。また、バルーンサイズは今回の経験から5mmが適切であると考えた。【結論】多孔性欠損孔のASDの治療において中央の欠損孔がデリバリーシース通過に適さないサイズであっても、PTA用バルーンで欠損孔を拡張することでデバイス留置が可能となる。