[I-P2-4-07] 急性大動脈解離の発症後、ACTA2遺伝子に病的バリアントを同定した16歳男性
Keywords:急性大動脈解離, ACTA2遺伝子異常症, 多臓器平滑筋障害
【背景】ACTA2(血管平滑筋αアクチン)遺伝子異常症は非症候群性家族性大動脈瘤・解離の約15%を占める常染色体顕性遺伝病である。ACTA2遺伝子の一部の病的バリアントは全身の平滑筋機能障害を呈する。【症例】高血圧で当院の小児循環器外来で経過観察中の16歳男性が急性大動脈解離を発症し、ACTA2遺伝子に病的バリアントを同定した。本症例に合併した瞳孔異常、動脈管開存症、気管支喘息、停留精巣、腸管軸捻転症はACTA2遺伝子異常症に特徴的な所見であった。【結論】多臓器の平滑筋障害を認める児を診療した時はACTA2遺伝子異常症を考え遺伝子検査を考慮する必要がある。ACTA2遺伝子異常症に対して胸部大動脈瘤・解離の発症を念頭に置いた定期的な心血管系の評価と厳格な血圧管理を行うとともに、突然死のリスク有する常染色体顕性遺伝病について患者家族には慎重な説明が必要である。