[I-P2-4-08] 右肺静脈閉塞の合併を認めたSmith-Lemli-Opitz症候群の一例
Keywords:肺静脈狭窄・閉塞, Smith-Lemli-Opitz症候群, コレステロール異常症
【緒言】Smith-Lemli-Opitz症候群は7-デヒドロコレステロールをコレステロールに変換する酵素7-デヒドロコレステロールリダクターゼ遺伝子(DHCR7)の異常により, 特徴的顔貌, 知的障害, 小頭症, 多発先天異常, 低コレステロール血症を呈する.
【症例】36週1日, 2122gで出生. 特徴的顔貌, 小頭症, 左第2-3趾皮膚性合趾症, 経口摂取不良, 低コレステロール血症を認め, 生後5ヶ月時に遺伝子検査でSmith-Lemli-Opitz症候群と診断された. 動脈管開存に対して新生児期にインダシン治療が行われ循環器フォローは終了していた. 9ヶ月時より米国からコレステロールを取り寄せ補充を開始, 以後は血中コレステロール値の上昇が認められた. 3才時, 肺炎を発症した際に右肺の透過性低下, 胸水貯留, 右肺容量の低下を認め, 胸部CT検査で右肺静脈の閉塞が認められた. 閉塞した右肺静脈周囲には側副血管が増生し, 右肺末梢は小葉間隔壁の肥厚, 間質性浮腫を伴っていた. 右肺静脈閉塞解除について検討を行ったが, 左肺静脈は狭窄なく, 閉塞は無症状に進行し肺循環は左肺が代償し肺高血圧や右心不全の所見はなく, また解除術後の治療効果が不確定であることから4才の現在まで保存的に観察を継続している.
【考察・結論】近年遺伝性疾患と肺静脈狭窄の関連を示唆する報告があり, その一つにSmith-Lemli-Opitz症候群が挙げられている. 肺静脈狭窄を合併したSmith-Lemli-Opitz症候群のケースシリーズによると, カテーテル治療や手術に抵抗性で, 組織学的に内膜の繊維増殖や粘液性変化がみられ, 進行性に両側の肺静脈狭窄や閉塞を来たしたとある. 自験例は現在までのところ病変は片側のみである. 左肺静脈の狭窄を来した場合は予後不良と考えられ慎重に観察を行っている. Smith-Lemli-Opitz症候群と肺静脈狭窄の合併を念頭に心エコー評価や遺伝性疾患の鑑別を行うことが重要と考えられる.
【症例】36週1日, 2122gで出生. 特徴的顔貌, 小頭症, 左第2-3趾皮膚性合趾症, 経口摂取不良, 低コレステロール血症を認め, 生後5ヶ月時に遺伝子検査でSmith-Lemli-Opitz症候群と診断された. 動脈管開存に対して新生児期にインダシン治療が行われ循環器フォローは終了していた. 9ヶ月時より米国からコレステロールを取り寄せ補充を開始, 以後は血中コレステロール値の上昇が認められた. 3才時, 肺炎を発症した際に右肺の透過性低下, 胸水貯留, 右肺容量の低下を認め, 胸部CT検査で右肺静脈の閉塞が認められた. 閉塞した右肺静脈周囲には側副血管が増生し, 右肺末梢は小葉間隔壁の肥厚, 間質性浮腫を伴っていた. 右肺静脈閉塞解除について検討を行ったが, 左肺静脈は狭窄なく, 閉塞は無症状に進行し肺循環は左肺が代償し肺高血圧や右心不全の所見はなく, また解除術後の治療効果が不確定であることから4才の現在まで保存的に観察を継続している.
【考察・結論】近年遺伝性疾患と肺静脈狭窄の関連を示唆する報告があり, その一つにSmith-Lemli-Opitz症候群が挙げられている. 肺静脈狭窄を合併したSmith-Lemli-Opitz症候群のケースシリーズによると, カテーテル治療や手術に抵抗性で, 組織学的に内膜の繊維増殖や粘液性変化がみられ, 進行性に両側の肺静脈狭窄や閉塞を来たしたとある. 自験例は現在までのところ病変は片側のみである. 左肺静脈の狭窄を来した場合は予後不良と考えられ慎重に観察を行っている. Smith-Lemli-Opitz症候群と肺静脈狭窄の合併を念頭に心エコー評価や遺伝性疾患の鑑別を行うことが重要と考えられる.