[I-PD01-04] 遺伝性不整脈診療におけるナドロールの有用性
キーワード:ナドロール, QT延長症候群, カテコラミン誘発性多形性心室頻拍
ナドロールはβ1非選択性の長時間作用型β遮断薬であり、半減期は20-24時間にも及ぶ。ナドロールはQT延長症候群(LQTS)およびカテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)における他のβ遮断薬に対する優位性が示されている。いまのところ無作為対照試験は行われていないが、多くのExpertの意見としてはLQTSおよびCPVTにおいて推奨されている。日本循環器学会・日本不整脈心電学会合同ガイドラインにおいてもLQTS2または重症LQTS1においてはナドロールがClass IIaで推奨されている。しかし全世界的に見るとナドロールが処方できない国が多くあり、たとえばイギリスやオーストラリアでは処方できず、米国のいくつかの州においては処方することが出来ない。日本においては商品名ナディックとして販売されている。現時点ではジェネリック薬は販売されていない。当院においてはLQTSやCPVTに積極的にナドロールを処方している。現在10例で処方しており、すべて分2処方としている。内服コンプライアンスは良好で、2例にbreak through eventを記録したが増量によって再発は防止できている。通常成人では分1処方で行うところを分2にする事で、内服忘れの際の血中濃度の安定化が期待される。