[I-YB03-04] 肺血流減少性チアノーゼ心疾患に対するステント留置術を見据えた動脈管形態の検討
Keywords:動脈管, ステント, 造影CT
【はじめに】肺血流減少性チアノーゼ心疾患に対する動脈管ステント留置術は海外を中心に広く行われる手技だが、動脈管形態や周辺解剖に関する報告はほとんどない。【目的】肺血流減少性チアノーゼ心疾患の動脈管形態と、気管支との関係を評価すること。【方法】過去10年間で、体肺シャント術前評価として当院で施行した造影CT検査を後方視的に検討し、以下の項目を測定した。動脈管起始部位、肺動脈側流入部位、pulmonary coarctation(CoPA)の有無、動脈管径、動脈管全長(L1)、動脈管起始-終点直線距離(L2)、Tortuosity index(TI); (L1-L2)*100/L2、気管支との位置関係。【結果】症例は21例で造影CT施行時日齢は中央値で日齢26だった。疾患内訳は、心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖 9、ファロー四徴症 5、単心室 4、三尖弁閉鎖 1、両大血管右室起始 1、房室中隔欠損 1。動脈管起始部は大動脈弓近位部-左鎖骨下動脈(ltSCA)間 11(52.4%)、ltSCA-下降大動脈近位部(dAo)の間 5(23.8%)、dAo近位部 1(4.8%)、鎖骨下動脈/腕頭動脈 4(19.0%)だった。動脈管流入部は左肺動脈 14(66.7%)、主肺動脈 6(28.5%)、右肺動脈 1(4.8%)、 CoPAを10例(47.6%)に認めた。動脈管の大動脈側径 4.7±1.3mm(平均±SD)、肺動脈側径 2.9±1.0mm、L1 19.2±5.9mm、L2 9.1±3.1mm、TI 128.1±86.1だった。動脈管が気管支に接している症例を12例(57.1%)認め、うち1例に動脈管ステント留置が行われたが、遠隔期CTでステントによる気管支圧迫は認めなかった。【まとめ】動脈管の位置、形態は様々で、屈曲が強いものが多い。気管支に接していることも多く、ステント留置の際は注意を要する。