[I-YB04-02] 深層畳み込み学習による小児心電図の年齢予測モデルと解剖学的構造との関連
Keywords:機械学習, 深層畳み込み, 心電図
【背景】成人において、機械学習により心電図から心不全を含む様々な情報を抽出した報告が散見されるが、小児においてどの程度の情報が抽出可能であるかは未だ不明なところが多い。解剖学的多様性や年齢に伴う変化が大きな小児期の心電図では成人とは異なった特徴が抽出される可能性がある。
【目的】小児心電図の機械学習による年齢予測モデルを通じて、心電図に含有されうる情報を推測する。
【方法】東京大学医学部附属病院で1999年から2020年の間に12誘導心電図検査を受けた16歳未満の患者を対象とし、深層畳み込み学習により検査時年齢の推測モデルを作成した。モデルは2心拍分のデータを入力とし、6層の二次元畳み込み層と3層の全結合層を設けた。学習済みモデルについて、入力毎の微分を行うことで年齢予測に寄与する心電図波形の重みづけを行い、そのパターンを三次元UMAP法で可視化した。
【結果】28,812検査に由来する391,191データを解析した。年齢は0.0歳から15.7歳(中央値 4.0歳)、4.52%の単心室症例が含まれた。(実際の年齢)±(実際の年齢の平方根)の範囲(以下、許容誤差)に推測できたのは61.1%にとどまったが、解析を1歳以上に限定した場合(23,219検査由来の291,594データ、1.0-15.7歳、中央値6.0歳、単心室3.90%)は79.9%のデータを許容誤差内に推測できた。モデルの重みをUMAPで可視化すると、先天性心疾患の診断毎にクラスターを形成する傾向があった。
【考察】1歳未満の心電図では、より年長例と比べて誤差がばらつき、心電図変化が特に多様であることが伺われた。また、学習済みモデルの重みが解剖学的な診断に沿った分布をすることは、刺激伝導系の成熟が診断毎に系統だったパターンを形成していることを示唆する。
【結論】小児心電図は潜在的に年齢や解剖学的特徴の情報を含有する。
【目的】小児心電図の機械学習による年齢予測モデルを通じて、心電図に含有されうる情報を推測する。
【方法】東京大学医学部附属病院で1999年から2020年の間に12誘導心電図検査を受けた16歳未満の患者を対象とし、深層畳み込み学習により検査時年齢の推測モデルを作成した。モデルは2心拍分のデータを入力とし、6層の二次元畳み込み層と3層の全結合層を設けた。学習済みモデルについて、入力毎の微分を行うことで年齢予測に寄与する心電図波形の重みづけを行い、そのパターンを三次元UMAP法で可視化した。
【結果】28,812検査に由来する391,191データを解析した。年齢は0.0歳から15.7歳(中央値 4.0歳)、4.52%の単心室症例が含まれた。(実際の年齢)±(実際の年齢の平方根)の範囲(以下、許容誤差)に推測できたのは61.1%にとどまったが、解析を1歳以上に限定した場合(23,219検査由来の291,594データ、1.0-15.7歳、中央値6.0歳、単心室3.90%)は79.9%のデータを許容誤差内に推測できた。モデルの重みをUMAPで可視化すると、先天性心疾患の診断毎にクラスターを形成する傾向があった。
【考察】1歳未満の心電図では、より年長例と比べて誤差がばらつき、心電図変化が特に多様であることが伺われた。また、学習済みモデルの重みが解剖学的な診断に沿った分布をすることは、刺激伝導系の成熟が診断毎に系統だったパターンを形成していることを示唆する。
【結論】小児心電図は潜在的に年齢や解剖学的特徴の情報を含有する。