[II-P5-1-04] 左心低形成症候群に対する外科治療の遠隔期成績
Keywords:左心低形成症候群, Norwood, 遠隔期成績
当院では1993年から左心低形成症候群に対しNorwood手術が行われるようになり外科治療戦略の変遷として体外循環法は2000年より選択的脳還流法に胸部下行大動脈送血法を併用するようになった.また肺血流供給路として2001年からRV-PA導管法が導入され,それ以前はBTシャント法が行われていた.2001年より初回姑息手術として両側肺動脈絞扼術を症例に応じて行うようになった.これらの外科治療変遷などの結果2000年以前の術後30日以内のmortalityは81.8%から2000年以降は18%と著名に改善し,術後15年を超える症例が20例以上となった.そこでNorwood術後15年以上経過した症例の後方視的検討を行った.方法:当院で1993年から2006年までに左心低形成症候群に対しNorwood手術を施行された症例は39例でそのうち生存例21例に対し,遺残病変に対する介入の必要性や生活状況などについて検討を行った.結果:生存群21例の術前診断はHLHS:MA/AA=11,MS/AS=7,MS/AA=2,MA/AS=1であった。初回Norwood手術症例では手術時平均年齢は12.2day,平均体重は2.8kg,両側PAB術後Norwood症例では平均年齢113.6day,平均体重4.8kg.術式はNorwood-BTS 7,Norwood-RVPA 10,Norwood-BDG 4例.21例のうちFontan到達症例は14例(うちfenestrated Fontan 1例).また遺残病変への介入はCoAに対する外科的介入2例,カテーテルインターベンション4例,TRに対するTAP4例,TVR1例であった。生活状況は社会人8人,大学生2人,高校生4人,中学生1人,養護学校1人,養護施設1人,詳細不明3人.結論:遺残病変としてはCoAやTRが追加手術やカテーテルインターベンションを要した。また術後15年を経過した症例の多くは就労や通常の学生生活を送ることが可能となっていた.