[II-P5-7-12] 新生児・乳児期の大動脈弓再建術における大腿動脈送血法の経験
Keywords:大腿動脈送血, 新生児, 大動脈弓再建術
【背景】
当院では新生児・乳児期の大動脈弓再建術において腕頭動脈と横隔膜直上の下行大動脈に送血するdouble artery cannulation法を行ってきたが、2021年10月より下行大動脈送血を大腿動脈送血に変更している。
【目的】
経皮的大腿動脈穿刺による下半身送血法を用いて、新生児・乳児期の大動脈弓再建術を合併症なく行うことができたため報告する。
【対象・方法】
当院で2021年10月から2022年1月までに大動脈弓再建術を施行した3例( 日齢1、体重3553g / 日齢1、体重2500g / 生後3か月、体重4.28kg )を対象とした。消毒・ドレーピング後に16G JELCO®Plusを大腿動脈に留置し下半身送血用の送血チューブと変換コネクタを介して直接接続、皮膚に固定した。送血可能な状態として開胸・剥離操作を行い、脱血管を留置して人工心肺開始した。腕頭動脈の送血管は人工心肺下での大動脈弓部の追加剥離を十分に行ってから留置した。留置した16G JELCO®Plusは術後ICU入室後に抜去した。
【結果】
術中送血圧は351[310-377] mmHg以下、平均下肢動脈圧11-64 mmHgで管理し、下半身のflow 1.66[1.47-1.98] L/min/m2を維持することが可能であった。術後採血ではCK 538[493-580] U/L、AST/ALT 107/18[67-182/10-31] U/L、Cre 0.65[0.30-0.86] mg/dL、LDH 520[426-629]U/Lであった。また術中下肢SpO2は拍動性に感知し、術後エコーでは大腿動脈の狭窄・閉塞を認めなかった。
【考察】
大腿動脈送血は新生児・乳児に於いても下行大動脈に直接カニュレーションを行う場合と比較し、下半身送血に必要な流量を確保出来、下行大動脈へのカニュレーションや止血など循環動態に影響する操作が不要であり、再開胸・剥離操作中に送血路が確保されているため安全に手術を施行することができた。
【結語】
本法は新生児・乳児の大動脈弓再建術を施行する際に有効、簡便かつ侵襲の少ない優れた手段であると考えられた。
当院では新生児・乳児期の大動脈弓再建術において腕頭動脈と横隔膜直上の下行大動脈に送血するdouble artery cannulation法を行ってきたが、2021年10月より下行大動脈送血を大腿動脈送血に変更している。
【目的】
経皮的大腿動脈穿刺による下半身送血法を用いて、新生児・乳児期の大動脈弓再建術を合併症なく行うことができたため報告する。
【対象・方法】
当院で2021年10月から2022年1月までに大動脈弓再建術を施行した3例( 日齢1、体重3553g / 日齢1、体重2500g / 生後3か月、体重4.28kg )を対象とした。消毒・ドレーピング後に16G JELCO®Plusを大腿動脈に留置し下半身送血用の送血チューブと変換コネクタを介して直接接続、皮膚に固定した。送血可能な状態として開胸・剥離操作を行い、脱血管を留置して人工心肺開始した。腕頭動脈の送血管は人工心肺下での大動脈弓部の追加剥離を十分に行ってから留置した。留置した16G JELCO®Plusは術後ICU入室後に抜去した。
【結果】
術中送血圧は351[310-377] mmHg以下、平均下肢動脈圧11-64 mmHgで管理し、下半身のflow 1.66[1.47-1.98] L/min/m2を維持することが可能であった。術後採血ではCK 538[493-580] U/L、AST/ALT 107/18[67-182/10-31] U/L、Cre 0.65[0.30-0.86] mg/dL、LDH 520[426-629]U/Lであった。また術中下肢SpO2は拍動性に感知し、術後エコーでは大腿動脈の狭窄・閉塞を認めなかった。
【考察】
大腿動脈送血は新生児・乳児に於いても下行大動脈に直接カニュレーションを行う場合と比較し、下半身送血に必要な流量を確保出来、下行大動脈へのカニュレーションや止血など循環動態に影響する操作が不要であり、再開胸・剥離操作中に送血路が確保されているため安全に手術を施行することができた。
【結語】
本法は新生児・乳児の大動脈弓再建術を施行する際に有効、簡便かつ侵襲の少ない優れた手段であると考えられた。