The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

シンポジウム16(II-SY16)
集約化に向けて、どのようにして小児循環器集中治療医を育成・確保するのか

Fri. Jul 22, 2022 10:10 AM - 11:40 AM 第4会場 (中ホールA)

座長:松井 彦郎(東京大学 小児科)
座長:和田 直樹(榊原記念病院 心臓血管外科)

[II-SY16-03] 「cardiac intensivistをどう育成するか」 ~集中治療医学会からの視点~

竹内 宗之1, 黒澤 寛史2 (1.日本集中治療医学会 理事, 2.日本集中治療医学会 小児集中治療委員会 委員長)

Keywords:Cardiac intensivist, PICU, 集中治療

日本集中治療医学会の使命のひとつに、質の高い集中治療を提供できる医療従事者を育てること、ICUで働くことに誇りを持ち、リーダーシップを発揮し医療システム全体の医療レベルを高める能力を持った専門家を育てること、(学会HPより)がある。Cardiac intensivistを育成することも、それと同様に考えることができる。
・質の高い集中治療と安全を提供する
集中治療医学一般の知識を広く持ち、かつ、治療に関連する医師やメディカルスタッフを指揮する能力をもつ医師を育て、彼らが集中治療室の業務に専念する環境を提供する必要がある。また、医療の質を向上し、患者に寄り添った安全な医療を提供するための教育を行う。病院の中央部門として、他部署との連携を構築し、院内全体の医療の質を向上することも重要な役割である。
・Cardiac ICUで働くことに誇りを持つ
循環器科や心臓外科と、主従の関係ではなく、お互いに尊重しあえる環境を作る。専門性の高い医療を提供するのみならず、上記のように病院全体への貢献を果たすことにより、大きな存在意義が産まれる。
・リーダーシップを発揮し医療システム全体の医療レベルを高める
専門家としての情報を発信し、この分野の医療レベルの向上に貢献できることは重要である。その上で、感染症パンデミックや地震などの災害などに対しても迅速に対応できるなど、社会に貢献する意識と技能を教育する。
しかし、日本のPICUは、患者数も少なく、患者背景もそれぞれ偏っており、1施設では上記を満たす十分な教育を行えない可能性がある。今後、いくつかのPICUが共同して、研修医を育てるシステムの構築が必要である。