The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

多領域

一般口演38(III-OR38)
多領域 Ⅱ

Sat. Jul 23, 2022 12:50 PM - 1:40 PM 第7会場 (ルーム204)

座長:青木 雅子(東京女子医科大学 看護学部)
座長:仁尾 かおり(大阪公立大学大学院 看護学研究科)

[III-OR38-02] 先天性心疾患における4D Phase-Contrast MRIの至適velocity encoding(VENC)設定の検討

伊藤 翼1, 沼田 隆佑2, 伊藤 かおり2, 米原 恒介2, 大日方 春香2, 赤澤 陽平2, 武井 黄太2, 瀧聞 浄宏2 (1.長野県立こども病院 放射線技術科, 2.長野県立こども病院 循環器小児科)

Keywords:MRI, 4D Flow, Phase Contrast

【背景】先天性心疾患(CHD)の心臓MRI検査において、近年4D-Phase Contrast(4D-PC)により血流定量化等の事後解析が可能となった。velocity encoding(VENC)は速度分解能と逆相関を示し、high VENCではslow flowの描出が不良となり、slow VENCでは速度情報の折返しが問題点となる。CHDでの至適VENC設定の検討は乏しく、特にslow/high flowのどちらも重要視されるFontan術後患者における至適VENC設定の報告はない。【目的】Fontan術後患者の4D flow MRIにおける至適VENC設定を検討すること【対象】2021年1月から2022年1月までに当院で撮像した心臓MRI検査にて4D-PCを用いたFontan症例20例の内、slow VENC群(sV群; VENC = 50cm/sec) 10例とhigh VENC群 (hV群; VENC ≧ 150cm/sec (150cm/sec; 3例、180cm/sec; 7例))10例を対象とした。【方法】sV群、hV群それぞれに、画像解析ソフト(iT flow2 ver1.0)を用いてoff lineで解析を行った。両群の4D-PC/2D-PCのFlow rateの相関関係・測定誤差及びStream Lineの描出能を比較検討した。測定部位はFontan route(人工血管中央)及び大動脈弁直上(≒心拍出量(CO))とした。2D-PCのVENCはそれぞれFontan route, 大動脈弁直上: 100, 250cm/secとした。【結果】検査時年齢および体表面積は両群間で有意差なく、sV群でのFontan route及びCO定量化において4D-PC/2D-PC間で有意相関は無かった。一方、hV群では両者で有意に高い相関関係を示し(Fontan route: r=0.97, CO: r=0.96, p<0.01)、hV群におけるCOの測定誤差はsV群に比し有意に低かった(hV vs. sV; 164±391 vs 2385.7±1050 ml/min, p<0.01)。また、Stream Lineの描出能に関してもhV群が優れていた。【結論】動脈に限らず、Fontan route等の静脈においても、slow VENCでは2回以上の折返しを生じ定量化において過小評価となる可能性が示唆された。Fontan術後症例では、血流定量化・可視化の観点でhigh VENCの設定が有用と思われる。