[III-OR38-03] 成人移行期外来プレ期導入の現状と課題
Keywords:成人移行期医療, 早期介入, セルフケアの確立
【背景】A小児専門病院は、2015年から、成人移行支援外来「たけのこ外来」を、多職種協働で開設した。「たけのこ外来」では、クリニカルパスを用いて、病名、術式、受診の必要性、セルフケア、将来の事等、多職種で連携した支援を行い2020年までに延べ400名の患者の成人移行をしてきた。今年度からは、10歳前後の患者をプレ期とし、看護師が患者を選定し、「たけのこ外来」の紹介や、薬の管理、心内膜炎予防等セルフケアを中心とした教育を開始した。今回、プレ期の評価と共に、保護者と患者の病気に対する認識について考察したので報告する。【目的】プレ期における保護者と患者の病気に対する認識を明らかにする。【方法】10歳前後の患者41名と保護者41名に患者、保護者それぞれにアンケート調査を行う。2群間をカイ二乗検定で分析する。【結果】「これまでに受けた治療を伝えているか」に有意に差が見られた。87%の保護者が病気について患者に説明したと思っていても、患者が理解しているとは限らなかった。内服管理はまだ自己管理が不十分である。ただし、保護者が管理を子どもに任せている患者はすすんで飲めている。齲歯予防は95%の患者が出来ていた。成人移行に関しては患者、保護者共に現実としてまだとらえていなかった。【考察】プレ期で、保護者だけではなく、医療者側から病気について説明することで、患者が病気について正確に理解するのではないかと考える。薬の管理については、保護者が子どもに管理させていれば、患者も自分からすすんで内服が出来ているため、早期に介入することが必要といえる。プレ期でたけのこ外来の必要性について説明する事は、成人移行期をスムーズに行えるためにも有効である。【結論】医療者が病気に対する説明を行うことが必要である。セルフケアの確立は、保護者の協力があれば10歳前後でも出来る。