[III-P6-3-02] 経皮的心室中隔欠損閉鎖術における4種類の閉鎖栓の比較
Keywords:カテーテル治療, 心室中隔欠損, 経皮的心室中隔欠損閉鎖術
【背景】近年,海外では経皮的心室中隔欠損(VSD)閉鎖術が行われている.デバイスの開発,動脈管用閉鎖栓の流用により,安全性が向上しているが,国内の実績は限定的である.デバイスの使い分けにより多様な形態のVSDに幅広く対応できるが,海外で用いられているデバイスのうち,国内で販売されているものは,Amplatzer duct occluder(ADO),ADO-IIのみである.【方法】当科で使用した4種類の閉鎖栓(ADO,ADO-II,Occlutech perimenbranous VSD occluder, Lifetech MFO)の特徴を比較する.適応外使用 国内未承認品の使用についてはIRBの承認を得て行った.【結果】4症例(5欠損)に経皮的VSD閉鎖術を行った.3例は傍膜様部中隔欠損,1例はファロー四徴症術後の遺残短絡であった.ADOとOcclutech perimenbranous VSD occluderはA-Vループを作成して順行性アプローチで閉鎖を行い,ADO-IIとLifetech MFOでは,逆行性アプローチで閉鎖を行った. 4欠損で閉鎖栓のサイズもしくは閉鎖栓の種類の変更を要したが,全例で手技は成功した.膜様部中隔瘤内にADOを留置した一例で,翌日脱落し経皮的に回収した.【考察】ADOは大きなサイズまでカバーでき,体格,欠損孔が大きな症例に適する.Occlutech perimenbranous VSD occluderはADOと類似した形状を有し,より柔らかく使用しやすい一方,閉鎖栓長に限界がある.ADO-IIとLifetech MFO は,ともにダブルディスク構造で進展性が大きく,逆行性アプローチにも対応可能である. Lifetech MFOは非対称構造でより柔軟であり,VSD閉鎖により特化している.【結語】経皮的VSD閉鎖術では,使用するデバイスの特徴にあわせた使い分けが重要である.