The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

集中治療・周術期管理

ポスター発表(III-P6-5)
集中治療・周術期管理 II

Sat. Jul 23, 2022 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場

座長:崔 禎浩(宮城県立こども病院 心臓血管外科)
座長:桃井 伸緒(福島県立医科大学医学部 小児科)

[III-P6-5-03] 働き方改革に向けて、小児循環器学会主導の心臓に特化したFocused cardiac ultrasoundコースが必要である

杉村 洋子 (千葉県こども病院 集中治療科)

Keywords:周術期管理, POCUS, 働き方改革

【背景】成人では、Point of care ultrasound(POCUS)が導入が進んでいる。小児では、小児集中治療研究会、集中治療学会主催のPOCUSの講習会がある。しかし、小児循環器学会が直接関与しているコースはない。【目的】当院の新生児/小児集中治療室(NICU/PICU)で日常的に働く循環器医師以外の医師の心エコーの到達度と到達希望度を把握し、現行の小児POCUSコース受講で充分かを検討する。【対象・方法】対象は当院NICU/PICUに2022年1月現在勤務している循環器科以外の医師11名。米国POCUSコースの到達目標を元にチェックリストを作成し、自己評価で到達度を調査する。更に到達希望を聞き取り、コースの講義内容等と照会する。【結果】当院のNICUは300例/年、PICUは250~300例/年程度の入室があり、その約6~7割が先天性心疾患である。対象医師の診療科は新生児科5名、集中治療科2名、心臓血管外科4名であった。医師の経験年数は中央値15(9-30)年。全員が正常心の構造は理解し、左室収縮低下が判断でき、基本断面がほぼ描出可能で短軸で右室圧の推定が可能であった。容量負荷が必要状態をエコーで判断可能が6割、心タンポナーデを診断可能が4割であった。POCUSは構造的な診断をする必要はないとされてるが、入室時あるいは急変時に最初に対応するのは循環器医以外であることが多い。アンケートでは動脈管の必要性の有無、酸素投与の可否、不整脈の診断補助、術後低心拍出状態の原因検索補助に対する希望があり、集中治療学会主催の新生児・小児ハンズオンエコーセミナー内容が一部カバーするのみであった。【考察・結論】働き方改革で、多忙な小児心臓外科医・循環器医のために、集中治療医の循環器疾患への介入増加が推奨された。現行のPOCUSコースに加え、質・量ともに程良い、座学とハンズオンのできる心臓のPOCUSコースを小児循環器学会主導で監修していただくことが必要と考える。