The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

外科治療

ポスター発表(III-P6-8)
外科治療 V

Sat. Jul 23, 2022 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場

座長:青木 満(千葉県こども病院 心臓血管外科)
座長:笠原 真悟(岡山大学 心臓血管外科)

[III-P6-8-07] 胎児エコーで発見された新生児重症Ebstein奇形および三尖弁異形成の2症例

杉本 愛, 白石 修一, 渡邉 マヤ, 高橋 昌, 土田 正則 (新潟大学大学院 医歯学総合研究科 呼吸循環外科)

Keywords:Ebstein奇形, 三尖弁異形成, 両側肺動脈絞扼術

【はじめに】胎児期からsevere TR, PRを呈するEbstein奇形や三尖弁異形成では不確定な肺条件や低体重により治療方針に苦慮する。胎児水腫に至らず分娩待機でき、初回bPAB+ RA plicationを行った2例を経験した。
【症例1】胎児エコーでcircular shuntを疑うEbstein奇形と診断。胎児水腫に至らず経過し妊娠39週、体重3012g、経腟分娩で出生。出生5分で挿管・人工呼吸管理開始。エコーでCeremajer index 1.43, TR massive, Vp=1.69m/s, PR slight-moderateでcircular shuntには至らず。肺条件が未知数であり、単心室治療を念頭に段階的Starnes手術の方針とした。7生日、bil.PA banding, main PA ligation, RA plicationを施行。術後レントゲンで両肺の拡張が得られたが、左室拡張障害からLOSが進行し、1POD, 緊急Starnes手術を施行した。術直後より左室拡張障害は改善傾向、5POD閉胸、17POD抜管、24POD ICU退室した。現在グレン手術待機中。
【症例2】胎児エコーで三尖弁異形成、右房拡大、肺低形成、肺動脈膜様閉鎖と診断。妊娠37週、体重2398g、経腟分娩で出生。生後8分で挿管・人工呼吸管理開始。エコーでTV dysplasia, PA, PDA, ASD, PH, PH severeと診断。三尖弁中隔尖は痕跡程度で大きなgapから逆流し、Vp= 2.98 m/s, Celemajer index=0.81。日齢11 (BW 1.9kg)、bilateral PA banding+RA plicationを施行。術後両肺の拡張が得られた。体重増加とともに低酸素血症が進行し、生後2ヶ月(BW 3.2kg)、二心室治療を念頭に三尖弁形成+palliative RVOTR (10mm valved conduit)+ bil. PA debanding施行。CPB離脱困難でrt. BTS(4mm)を追加。生後6ヶ月、三尖弁再形成+両側肺動脈形成、BTS divisionを施行。 経口哺乳確立し、48POD、(1/17)退院した。
【結論】いずれも初回bPAB+RA plicationにより両肺の拡張を確認できた。症例1はbPAB術後にLOSから離脱できず、後方視的には初回Starnesも良い選択肢であったと考えられた。