[III-P6-8-10] 超低出生体重児動脈管開存症に対する手術治療の早期・遠隔期成績の検討
Keywords:未熟児PDA, 超低出生体重児, 動脈管クリッピング
【背景】未熟児動脈管開存症に対する手術治療は有効とされ, 手術手技も確立してはいるものの, 新生児期における手術死亡は3.9%と比較的高い. 【目的】当院における手術成績をretrospectiveに評価し早期・遠隔期の成績について検討を行う事とした.【方法】2011年から2021年の間に, 超低出生体重児PDAに対し閉鎖術を行った40例につきretrospectiveに評価した. 観察項目としては在胎週数, 出生体重. 手術時体重, 手術時日齢, 術前呼吸状態, 術後挿管期間及び入院期間と臨床経過について検討した. 手術は全例左側開胸で行い、PDAはクリップで閉鎖している.【結果】男児21例, 女児19例, 平均在胎週数は週、出生体重623±103g。手術時年齢は23.8±19.8 日、手術時体重は662±171gであった. 術前シクロオキシゲナーゼ阻害薬投与は平均1.4±0.8クール, 術前肺出血を6例に認め, 術前人工呼吸器装着は38例であった. 平均手術時間は34±1 分, 術後挿管期間は20±18日であった. 手術関連合併症として、術後左主気管支狭窄を1例, PDAに対する再手術例は認めなかったが, 遺残短絡に対してカテーテル治療を行った症例を1例認めた. また, 左反回神経麻痺の所見を4例に認めた. 30日死亡は1例(2.5%), 遠隔死亡1例(2.6%)認めたがいずれも心臓外の要因であった. 術後入院期間は平均127日で, 退院時在宅酸素療法導入症例を3例認めた. 【結語】過去10年間の当院における超低出生体重児PDAの手術例の検討を行った. 手術関連の死亡例はなく比較的良好な手術成績は得られた. 今後も引き続き手術加療の検討をしていきたいと考えている.