[III-JS-03] 九州大学病院におけるLive-Heart Teamの構築
Keywords:FALD, Liver-Heart Team, Fontan
Fontan術後症例はFontan循環の特殊性から、長らく小児循環器科医が診療に当たってきた。しかしFontan術後症例の中期予後の改善とともに成人期に到達する症例が増加しており、成人循環器内科医もFontan手術後症例を診察するようになってきた。しかし小児循環器科医も成人循環器内科医も心臓病の専門医である。肝臓病は専門外であり、心臓病の専門医だけでFALDに挑むということは、診療体制として不十分と考えられる。九州大学病院では2009年の成人先天性心疾患外来設立以降、循環器内科医・小児循環器内科医によるAFPガイド・腹部エコーガイドでのFALD診療を行ってきたが、2023年3月までに4例のFontan術後の肝臓癌を経験した。いずれも無症状で発見され初期治療として外科的治療を行い、3例で再発なく経過しているが、1例で術後化学療法を行ったが腹膜転移を認め、現在も外来で治療中である。肝臓癌発症後のフォロー及び加療は肝臓内科医抜きでは不可能であり、より早期からの肝臓内科医の関与が望まれる状況であった。そこで、九州大学病院では増加しているFALDに対応するためのLiver-Heart Teamを構築する目的に2021年に合同でカンファレンスを開き、肝臓内科外来に「循環器術後外来」枠を設置してFALDに対する肝臓内科医との共同診療を行うようになった。FALDに挑むために肝臓内科医とのコラボレーションは必須と考えられ、本セッションでは九州大学病院におけるLiver-Heart Team構築までの流れと現在の診療体制を説明する。