The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

ファロー四徴

一般口演(III-OR27)
ファロー四徴

Sat. Jul 8, 2023 11:30 AM - 12:30 PM 第7会場 (G314+315)

座長:上野 高義(大阪大学大学院 医学系研究科保健学専攻看護実践開発科学講座), 座長:島田 勝利(榊原記念病院 心臓血管外科)

[III-OR27-02] Fallot四徴症修復患者の拡張末期前方血流形態と左室拡張機能障害・末梢臓器障害の関連

高橋 卓也1, 齋木 宏文1, 齋藤 寛治1, 佐藤 啓1, 滝沢 友里恵1, 桑田 聖子1, 中野 智1, 佐藤 有美1, 小泉 淳一2, 小山 耕太郎3 (1.岩手医科大学 医学部 小児科, 2.岩手医科大学 医学部 心臓血管外科, 3.みちのく療育園)

Keywords:Fallot四徴症, End-Diastolic Forward Flow, 心室間連関

背景:拡張末期前方血流(EDFF)はファロー四徴症(TOF)修復術後において右室容量負荷を反映する。この右室拡張期末圧容積関係が急峻となる容積域への拡張は、心室間連関を介して左室拡張機能にも影響を与える。EDFF形態が左室拡張機能障害を反映し、更に末梢臓器障害と関連するという仮説を検証した。方法:2011~2021年に心臓カテーテル検査を行ったTOF修復後145例を対象とした。直近の心臓超音波検査から得られたEDFFの有無、さらに速度、時間、速度-時間積分(VTI)を解析し、平均化して解析した。結果:EDFFは47例で陽性、75例で陰性であった。23例は波形が不安定であり対象から除外した。年齢、体格、心係数、中心静脈圧(CVP)、両心室圧は差が無かったが、EDFF陽性例は陰性例と比して肺動脈逆流分画が高く(31.8±16.7, 21.6±26.7, p=0.03)、右室拡張末期容積指数(RVEDVI)が大きかった(167.5±7.0, 141.8±5.5, p<0.01)。また、初回心室造影後のCVP変化(1.14±0.20, 0.50±0.16 mmHg, p=0.01)、拡張末期圧変化 (LVEDP 1.03±0.23, -0.06±0.19 mmHg, p<0.01)はEDFF陽性者では陰性者よりも強く上昇し、両心室の拡張予備能低下を示唆した。EDFF-VTIはRVEDP、LVEDP、肝静脈楔入圧、体血管抵抗、血清クレアチニン値、Fib-4 indexと正相関、血小板数と負相関を認めた。結論:TOF修復後EDFF形態は、二次的な右室拡張機能障害だけでなく左室スティッフネス上昇をも反映し、末梢臓器障害との関連が認められた。TOF修復後肺動脈弁への再介入適応は主に容積指標によって判断されてきたが、EDFF形態が新たな生体指標としての役割を担う可能性がある。