[III-OR27-05] ファロー四徴修復術後の右室圧が遠隔期成績に及ぼす影響
Keywords:ファロー四徴症, 右室圧, Trans annular patch
(背景)ファロー四徴(TF)修復術において肺動脈弁逆流を予防するための右室流出路再建の工夫が進む一方で、右室圧が遠隔期合併症に及ぼす影響は明らかではない。(目的)TF修復術後の右室圧が遠隔期の合併症発生及び右室機能に及ぼす影響を検討した。(方法)1991年から2015年に当院でTF修復術を行った症例を対象とした。右室流出路に対する再手術と不整脈に対するカテーテルアブレーションをadverse eventとした。TF術後の右室圧は術後一年のカテーテル検査におけるRVP/LVP比を用いて評価した。(結果)症例は149例。弁輪温存が56例、TAPが93例。右室流出路に対する再手術が21例、カテーテルアブレーションが3例。術後1年のRVP/LVP比は中央値0.42、観察期間中の中等度以上の肺動脈逆流(PR>mod)は78例。Cox regression解析にて弁輪温存はadverse eventの保護因子であった(HR 0.17, p= 0.02)。 TAP93例においてRVP/LVP比はadverse eventの関連因子であったが(HR 1.10, p<0.01)、時間依存型共変量としてのPR>modは関連を認めなかった。ROC曲線によるRVP/LVP比のカットオフ値は0.43でありRVP/LVP比>0.43の症例はRVP/LVP比<0.43に比べadverse eventが多かった(log rank: p<0.01)。TF修復術後遠隔期に心臓MRIを施行した43例において術後1年目のRVP/LVP比はRA area indexと有意な正の相関を示した(p=0.001)。(考察)TF修復術後右室圧負荷による右室肥大は遠隔期の右室機能低下に関与しうる。(結論)TF修復術後の右室圧高値は遠隔期のadverse eventや右房拡大に関連する。