[III-OR28-03] CoAとIAAの術後問題となるsub ASの検討
Keywords:sub AS, IAA, CoA
背景】大動脈弓離断症(IAA)と大動脈縮窄症(CoA)の術後にしばしば大動脈弁下狭窄(subAS)を認めることがあり、再手術の適応となる症例があるがリスク因子や患者特性を報告した文献は少ない。【目的】IAAとCoAの術後にsub ASとなり再手術を要した例について検討する。【方法】当院にて2011年3月から2021年10月までに初回手術が行われた98例を後方視的に検討した。【結果】98例中、TGAやDORVなどのcomplex症例、最終手術がYasui・TCPCとなった症例、周術期・遠隔期に死亡した症例は除外した62例について検討を行った。62例中心内修復術(ICR)後にsub ASの解除術を追加した症例は5例であった。うち5例ともIAAでありCoAの症例は認めなかった。IAA はtype Aが1例、type Bが4例とBで多く認めた。5例中、姑息術を要したのは4例であり、全てIAA typeBであった。IAA typeBの15例のうち、22q11欠損症を7例で認めたが22q11欠損症でsub ASとなった症例はなかった。ICRからSub AS解除術までの日数は平均927日であった。subASを認めた群をAS群、subASを認めなかった群をN群とし検討を行ったところ、Ao valveの%NはAS群vs N群で71.8% vs79.5%(p=0.23)であった。AVが二尖弁の割合はAS群vs N群で80% vs 35.8%(p=0.049)であった。VSDがposterior malalingeしている割合は AS群vs N群で60%vs 54.9%(p=0.95)であった。LVOTはAS群 vs N群で4.4mm vs 5.4mm( p=0.067) であった。姑息術はAS群 vs N群で80% vs 26.3%(p=0.012)であった。【考察】既報ではCoAとsub ASの関係を示す文献を認めたが、少なくとも当院ではCoAの術後にsub ASのため再手術となる症例はなかった。二尖弁で姑息術を行った例では有意差を持ってsub ASとなりやすく、血行動体的に弁下が乱流となり弁下の肥厚を引き起こす可能性がある。【結語】IAAのtypeBで姑息術後にICRを行った二尖弁を有する児は、術後にsub ASとなる可能性があり外来での注意深いフォローが必要である。