[III-OR28-04] Rastelli型手術の中期遠隔成績
Keywords:Rastelli型手術, 遠隔成績, 右室流出路再建
【背景】導管を用いた右室流出路形成の適応となる疾患群は、中期遠隔期に導管の交換が必要となる。【目的】当院でRastelli型手術を受けた症例の中期遠隔成績を解析した。【方法】1998年~2022年にRastelli型手術を受けた43例中、Truncusと MAPCAに対するUnifocalizationが必要であった症例を除いた、10歳未満の24例を対象とした。平均年齢は2.3±1.2歳、体重は9.4±2.2kg。手術時診断は、TOFは7例、PA/VSDは14例、DORV/PSは3例。体肺シャント術は34回 (全例)。Hemashield graft (HS) (14mm)は5例、ePTFE graftは19例 (12mm(2), 14mm(9), 16mm(4), 18mm(2), 20mm(2)) に使用された。観察期間は10.5±7.9年。【結果】急性期死亡は2例、遠隔死亡例はなし。14例に導管のバルーン拡張術 (PTA)を9回、左右PA狭窄症例に対するPTAを10回施行。導管交換症例7例 (HS 4例、ePTFE 3例)は、Rastelli型手術の7.5±4.7年後に施行。導管交換手術前の心エコー検査での導管内流速は3.9±0.5m/secで、導管交換前カテーテル検査でのRV-PA圧較差は56.8±15.9mmHgであった。導管交換の原因は導管右室吻合部狭窄の1例以外は導管内狭窄であった。導管交換例以外の遠隔のエコー所見での流速は2.6±0.9m/sec (術直後1.7±0.6m/sec)、中等度以上の逆流は見られなかった。全体での導管交換回避率は5年で90.9%、10年で72.2%。graft別での導管交換回避率の比較ではePTFE群では、5年で94.1%、10年で85.6%であったのに対し、HS群では5年で80.0%、10年で20.0%と優位に低かった (Log-rank test p=0.03)。【結論】Rastelli型手術における中期遠隔成績は許容できるものであった。ePTFEでの右室流出路再建の再手術回避率は優位に高かった。導管交換の主な原因は導管内狭窄が原因であった。