[I-P01-4-08] 体重10kg台における2次孔型心房中隔欠損の治療選択と成績
キーワード:心房中隔欠損, カテーテル治療, 低侵襲手術
【背景】2次孔型心房中隔欠損には,外科手術 (SC)あるいは経カテーテル的閉鎖術 (TC)の選択肢がある.実臨床では後者を希望する患者がほとんどだが,体重10kg台の層では前者が選択されることが多い.【目的】体重10kg台において閉鎖術が選択された症例の形態的特徴,選択理由および成績を明らかにする.【対象】2013-2023年の10年間で手術時体重10kg以上20kg未満で,当院にてSCを施行した68例 [体重 10.2-19.8 (15.7)kg]とTC 32症例 [13.7-19.7 (17.1)kg].【結果】SC選択理由として形態的特徴によらないものが15例あった(併存心病変に対する同時手術の可能性9例,将来的なアブレーションの可能性1例,体重増加不良かつ12.5kg未満4例,左房内異常隔壁疑い1例).またTCを試みたが留置困難であったものが3例あった.形態的特徴により手術を選択したものが53例あった(40例が後下縁広範囲欠損・欠損孔最大径(mm)が体重(kg)より大きいもの33例[重複あり],大動脈縁欠損と家族の希望を踏まえて選択したもの2例).治療経過は,胸骨部分切開が62例(91%),無輸血手術が66例(97%),直接閉鎖が57例 (84%),周術期合併症は創部感染3例,心タンポナーデ1例.長期的ケロイド残存が6例あった.TCで選択された閉鎖栓はAmplatzer 22例(69%),Figulla 10例(31%)であった.閉鎖栓サイズは中央値13.8mm(9mm-20mm)だった.観察期間中央値4.3年でTC直接関連合併症はなく,頭痛が6例(19%)みられた.【考察】TCの適応が,無理のない範囲で,体重15kg以下の低体重,後下縁広範囲欠損,大きな欠損孔に対して拡がると,より良好な中期成績につながる可能性がある.一方,両治療法において,感染性心内膜炎,不整脈発生を含めた長期的検討も今後の課題と思われる.