[I-P02-3-02] 大動脈縮窄症における治療介入要否の指標(CoA-index)についての検討
キーワード:大動脈縮窄症, posterior shelf, CoA-index
【背景】大動脈縮窄症(coarctation of aorta 以下CoA)における治療介入として, 外科的修復術や経皮的バルーン拡大術, Stent挿入術といった治療法が知られている. 一方, isthmusにある程度の太さがある場合は, 自然経過で改善する場合もある. 経過観察可能な症例にどのような特徴があるのか明確な基準は定まっていない.【目的】当院における過去の症例を検討し, CoAへの治療介入の基準を検討する.【方法】対象は2010年から2023年の間に, 当院で心エコー図検査を実施されCoAと診断された症例. 単心室などの複雑先天性心疾患, または, 21-trisomy以外の染色体異常を合併した症例は除外. 検査時日齢おける体重, 体表面積, isthmus径, posterior shelfの有無, 大動脈弁輪径・形態, 治療介入の有無について電子診療録において後方視的に検討. isthmusを体表面積で除した値をCoA-index : isthmus/Bw (mm/kg)とし, Posterior shelf(+)・(-), それぞれにおいて外科的介入(Arch repair)に対するcut off値について検討.【結果】該当したのは全84例. 検査実施の日齢中央値(範囲)は4(0-19.3). Arch repair郡は66例(78.5%), 非repair郡は18例(21.4%). posterior shelfの有無に関しては, shelf(+)は62例(73.8%), shelf(-)は22例(26.2%). Arch repairを必要とするcut off値はそれぞれ:shelf(+)郡=0.85 ; shelf(-)郡=0.79. 【考察】shelf(+)症例における経過観察可能なCoA-indexはshelf(-)よりもより大きなcut-off値を必要とした. shelf(+)郡かつcut off値以下の症例でArch repairを要さなかった症例は計2例で, いずれもsimple CoA症例であった. 【結論】CoAにおける経過観察可能なCoA indexの基準は, shelf(+)>0.85, shelf(-)>0.79であった.