[I-P02-5-04] Investigation of pathology in a case of persistent fifth aortic arch with interrupted aortic arch, right aortic arch and aberrant left subclavian artery
Keywords:第5大動脈弓遺残, 大動脈形成術, 病理所見
【はじめに】第5大動脈弓遺残(Persistent fifth aortic arch: PFAA)は発生異常により引き起こされる稀な疾患であり、大動脈弓離断や大動脈縮窄を合併する。大動脈弓形成術の際に第5大動脈弓の組織所見が重要である。今回、PFAAに大動脈弓離断、右側大動脈弓、左鎖骨下動脈起始異常を合併した新生児に対して第5大動脈弓を切除し大動脈弓形成術を行った症例を経験したので、病理所見を踏まえて治療方針について検討する。
【症例】現病歴:在胎38週1日、3614gで出生した男児、日齢1に心雑音を認め、日齢17に当院紹介。入院後経過・各種検査所見:上下肢血圧差22mmHg(右上肢96/、左上肢・右下肢・左下肢74/)、駆出性収縮期雑音(Levine II/VI)、足背動脈触知微弱を認めた。心臓超音波検査:大動脈弓は第3分枝まで分岐した後に離断、第5大動脈弓が残存し狭窄(最小径2.6mm、最大血流速度3.3m/s)。造影CT検査:第5大動脈弓遺残に加え、A型大動脈弓離断、右側大動脈弓、左鎖骨下動脈起始異常を合併、第5大動脈弓遠位部で狭窄(最小径2.5mm)、下行大動脈から左鎖骨下動脈が起始、気管分岐部の背側を走行して血管輪を形成。手術所見:日齢28に大動脈形成術を施行。遺残第5大動脈弓を上行大動脈から離断、狭窄部を切除、下行大動脈小弯側を縦切開し、下行大動脈から大動脈弓、上行大動脈まで自己心膜パッチで縫合。病理所見:切除したPFAAは内膜、中膜、外膜と3層構造。内膜は浮腫状に軽度肥厚し、アルシアンブルー染色では内膜および中膜にmyxoid変性(粘液腫様変性)を認めた。術後経過:上下肢の血圧差や造影CT検査で形態的狭窄は認めず、術後9日目に退院。
【考察】切除したPFAA組織所見は正常大動脈と同様の3層構造であったが内膜肥厚やmyxoid変性を認め、将来的に狭窄や動脈瘤を合併する可能性があった。【結論】切除が可能な大動脈弓形態であればPFAAを切除し、大動脈を再建するのが望ましいと考えられる。
【症例】現病歴:在胎38週1日、3614gで出生した男児、日齢1に心雑音を認め、日齢17に当院紹介。入院後経過・各種検査所見:上下肢血圧差22mmHg(右上肢96/、左上肢・右下肢・左下肢74/)、駆出性収縮期雑音(Levine II/VI)、足背動脈触知微弱を認めた。心臓超音波検査:大動脈弓は第3分枝まで分岐した後に離断、第5大動脈弓が残存し狭窄(最小径2.6mm、最大血流速度3.3m/s)。造影CT検査:第5大動脈弓遺残に加え、A型大動脈弓離断、右側大動脈弓、左鎖骨下動脈起始異常を合併、第5大動脈弓遠位部で狭窄(最小径2.5mm)、下行大動脈から左鎖骨下動脈が起始、気管分岐部の背側を走行して血管輪を形成。手術所見:日齢28に大動脈形成術を施行。遺残第5大動脈弓を上行大動脈から離断、狭窄部を切除、下行大動脈小弯側を縦切開し、下行大動脈から大動脈弓、上行大動脈まで自己心膜パッチで縫合。病理所見:切除したPFAAは内膜、中膜、外膜と3層構造。内膜は浮腫状に軽度肥厚し、アルシアンブルー染色では内膜および中膜にmyxoid変性(粘液腫様変性)を認めた。術後経過:上下肢の血圧差や造影CT検査で形態的狭窄は認めず、術後9日目に退院。
【考察】切除したPFAA組織所見は正常大動脈と同様の3層構造であったが内膜肥厚やmyxoid変性を認め、将来的に狭窄や動脈瘤を合併する可能性があった。【結論】切除が可能な大動脈弓形態であればPFAAを切除し、大動脈を再建するのが望ましいと考えられる。