[I-P02-5-05] Consideration of Left Ventricular Outflow Tract Stenosis and Surgical Procedure of Interrupted Aortic Arch with Biventricular Repair
Keywords:大動脈弓離断症, 左室流出路狭窄, 術式選択
【背景】大動脈離断症(IAA)には大動脈弁・弁下部などで左室流出路狭窄(LVOTS)を合併することが多く、術式選択に迷うことがある。当センターで経験したIAAについて検討した。【方法】2009年から2023年までに当センターで経験したIAAの連続10例を対象とした。全ての症例で先行して両側肺動脈絞扼術を施行した。A群:大動脈弓修復術+心室中隔欠損閉鎖術、N群:Norwood型手術→Rastelli手術とした。大動脈弁・弁下の最小径をLVOTとして、正常大動脈弁径との比(%)とz soreを算出し、術前後のLVOTの成長、術後のLVOTSについても検討した。【結果】A群は6/10例で、術前のLVOTは62.2~104.5%、z score -4.75~0.43であった。N群は4/10例で、術前のLVOTは55.5~90.4%、z score -5.89~-2.19であった。近年では大動脈弓修復術+心室中隔欠損閉鎖術の適応を拡大する傾向であった。A群では日齢57~131(平均76)で手術を施行し、観察期間は2~158か月であった。手術前後のLVOTは79.1±15.2%→90.5±15.6%(p=0.06)、z=-2.52±1.89→-1.16±1.89(p=0.06)と拡大する傾向を認めた。日齢131で手術を施行した症例のみ、62.2%→61.5%、z=-4.75→-4.86と成長は認められなかった。LVOTのVmaxは1.20-2.59m/sであり、全例でLVOTSに対する治療介入は要していない。N群では日齢82~149(平均119)で手術を施行し、観察期間は61~151か月であった。手術前後のLVOTは70.9±14.0%→63.0±4.2%(p=0.33)、z=-3.92±1.61→-4.63±0.65(p=0.36)と縮小する傾向を認めた。LVOTのVmaxは0.83-1.78m/sであり、全例でLVOTSに対する治療介入は要していない。【考察】IAAの二心室修復として大動脈弓修復術+心室中隔欠損閉鎖術を施行した場合、特に早期に手術を施行した症例でLVOTSは拡大する傾向にあった。LVOTが62.2%、z score -4.75までの症例で術後のLVOTSは許容範囲内だった。既報では遠隔期にLVOTSに対してバルーン拡張を要した報告もあり、慎重な経過観察を要する。