[I-P02-5-06] Treatment Strategies for Coarctation of the Aorta in Very Low Birth Weight Infants
Keywords:大動脈縮窄, 極低出生体重児, 動脈管
【緒言】大動脈縮窄(CoA)では,動脈管(DA)の閉鎖につれてショックに陥るため一般的には早期の大動脈弓再建手術が必要だが,早産低出生体重児ではこの方法は超ハイリスクであり代替戦略が求められる.当院での4例(simple CoA 1例,CoA/VSD 3例)に対する治療戦略を考察する.【症例1】MD双胎第2子,GA 30w5d,BW 1136g,生後1日にsimple CoAと診断,当院へ搬送.PGE1でDAは開存したが,高肺血流心不全に陥った.日齢7にDAを肺動脈側で結紮し残存したDA組織をPGE1で開存させ大動脈峡部の径を保った.PGE1の継続で下半身血流は確保され,2ヶ月,BW 2628gで大動脈弓再建術に到達した.【症例2】DD双胎第1子,GA 36w1d,BW 1288g,生後0日にCoA/VSDと診断,当院へ搬送.DA開存していたが高肺血流心不全に陥り,日齢13に両側肺動脈絞扼術(bil.PAB)を施行,日齢22からはPGE1でDAを維持.3ヶ月,BW 3068gでAoA再建+VSD閉鎖を施行した.【症例3】MM双胎第2子,胎児期からCoA/VSDと診断.GA 30w0d,臍帯巻絡,児心音低下のため緊急C/Sで出生,BW 1236g.高肺血流心不全のため日齢5にbil.PAB施行.PGE1で体重増加を待機していたがDAの狭小化が進み,日齢76,BW 1728gで緊急DAステント留置術を施行.4ヶ月,BW 3520gでAoA再建+VSD閉鎖に到達した.【症例4】胎児期よりVSDを指摘,胎児発育遅延あり.GA 37w1d,胎児機能不全のため緊急C/Sで出生,BW 1257g.生後0日にCoA/VSDと診断,PGE1でDA開存していたが高肺血流心不全のため日齢7にbil.PAB施行.現在体重増加を待機中.【考察】今回,simple CoAに対してはhigh flowの制御と下半身血流を維持するためのDA組織を利用した戦略を,CoA/VSDに対してはbil.PAB+DA維持の戦略を採用した.極低出生体重児において一期的に大動脈弓再建術を行うことはリスクも高く容易ではないため,代替の療法で体重増加を待機することが望ましく,これらの戦略は非常に有用であると考えられた.