The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

大動脈

Poster Session(I-P02-5)

Thu. Jul 11, 2024 2:20 PM - 3:20 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:深江 宏治(熊本市立熊本市民病院 小児心臓外科)

[I-P02-5-07] Study of a case of vascular ring with tracheal stenosis

松永 慶廉1,2, 岡村 達1,2, 岡 徳彦3, 鹿田 文昭1, 友保 貴博3, 金子 政弘3, 松井 謙太3, 畑岡 努1,2, 金田 咲良1, 宮地 鑑1 (1.北里大学病院 心臓血管外科, 2.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科, 3.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 心臓血管外科)

Keywords:血管輪, 気管狭窄, 呼吸器管理

背景:血管輪は大血管の解剖学的先天異常により, 気道圧迫きたす疾患である。多くは血管輪の解除により狭窄解除され、改善する例がほとんどとされている。目的:今回, 北里大学関連3施設における気管狭窄を伴う血管輪患者の患者背景、手術時期、治療戦略、周術期の経過に検討し、現状と傾向を把握する事を目的とした。方法:北里大学病院、群馬県立小児医療センター、自治医科大学こども医療センターの3施設で2006年~2023年までの間に、手術を受けた血管輪患者14例を対象とした。患者背景、術前呼吸状態、手術術式および周術期管理、退院後の呼吸状態、最終転帰について後方視的に検討した。結果:手術は平均8.6ヶ月(中央値6ヶ月)時に施行、平均体重は6.6kg(中央値6.9kg)であった. 併存疾患として、Fallot四徴症が2名、TGA 1型の術後が1名、VSDが1名であった。Arch 形態は右側大動脈弓が6例、両側大動脈弓が6例、左側大動脈弓が2例であった。12例は術前に気管支鏡を施行した。術前から呼吸サポートを要したのは5例であった(CPAP 3例, 挿管管理2例)。手術は人工心肺を用いた症例が6例、術後補助循環を要した症例が1例であった。術後平均挿管時間は14日、人工呼吸器離脱後の呼吸補助としてNHFが多かった(7/14例、50%)。平均PICU滞在期間は41日(中央値7日), 術後入院期間は55日(中央値16)であった。周術期死亡は1例(7.1%)、 院内死亡は1例(7.1%)認め、いずれも併存疾患による死亡であった。遠隔期死亡は認めなかった。結語:多くの報告では、血管輪に対する外科的介入の成績が良好で、ほとんどの患者で症状が消失されるとされている。術後の予後は併存疾患に依存しており、血管輪単独の症例においては血管輪のdivisionにより術後気管狭窄が解除され良好な経過であった。