[I-P03-2-07] The important points of treatments for neonatal Ebstein's disease during perinatal period.
Keywords:重症Ebstein病, 動脈管, 循環不全
【緒言】重症Ebstein病は致死率も低くなく, 娩出時期から出生後の管理方針まで綿密な判断を要する.自験例の予後から管理の要点について考察する.【対象・方法】2005年以降に二心室循環を目指して管理したPA/有意なPSを合併しない4例. 胎児期の状態, 出生後の管理, 予後について後方視的に検討した.【結果】死亡1,生存3. <死亡例>GA37w,2144gで出生. 直前のCTAR 0.70, Circular shunt (CS)なし, Celermajer index (CI);0.90, SAS score (SS);6点, PA順行血流none, TRPG49mmHg. 日齢0にDA狭小化,PGE1投与で顕著にDA開大, PA順行性血流は出ず体血流Stealが進行.PGE1中止後もDA狭小化せず 体循環不全が進行. PSVTが頻発, 抑制できず救命不能であった. <生存例>GA31-35w出生, BW1620-2190g, CTAR 0.61-0.66, CSあり:3例, CI 0.80,0.97,1.04, SS 5点;3例,PA順行血流:none-極小だったがTRPG34-39mmHgを見て3例ともPGE1投与せず. GA35w出生は日齢3にDA閉鎖.酸素カヌラで SpO2 90%を維持できPDE5-I導入し退院. BW4.8kgでTVR. GA31-32w出生はDA閉鎖せずIndomethacin投与.1例はDA極小でSpO2 80%前半を維持, 2.5kgでTVR .1例は一旦DA極小化しERA, 酸素カヌラでSpO2 80%前半を維持できたが日齢56にDA顕性化したためLigationし退院. 7.0kgでTVR【考察】生存例と死亡例の間にCI, SS, 胎児心不全の程度やTRPGに差はなく, むしろ死亡例の方が成熟,体重の点で有利に見えた. しかしDAを大きく開けたため体循環血stealに陥り, 一方で大きなDAを介して流量, 圧ともに大動脈→肺動脈に波及して右室からの順行性血流に抗してしまった.さらに不整脈も循環不全に拍車をかけていた. 出生直後は肺循環維持にDAは必要だが,右室からの順行性血流に抗するため諸刃の剣となり得る. むしろDAは狭小化を図る一方で肺血管拡張を積極的に行い, 許容できる低酸素の範囲内でDA依存→PA順行性へ移行できるかの経過を慎重に追うことが重要と考えられた.